※途中からは、PMのひょっとこ(118)の日記と同じ場面を書いています。
一部ミスがあったので修正済み。
- リナ「兄様、せっかくのクリスマスですし、ケーキくらいは準備してみませんか?」
- アンリ「ケーキを準備すると言っても、材料はどうするんだ?それに、ケーキの作り方など私は知らないし、リナも知らないだろう?」
- リナ「それなら、大丈夫です。材料はここにある物と遺跡外で調達した物で何とかなりそうですし、作り方も本がありますから。」
本の表紙には、『お菓子作り・初級編』と書いてあった。
本を受け取り、パラパラとめくる。
- アンリ「ん、これなら何とかできそうだな。やってみるか?」
- リナ「はいっ、兄様。」
その間に、私は調理器具や計量器具を揃えていった。
- リナ「これで準備は万端ですね。はじめましょう。」
私は土台になるスポンジを作る作業、リナはクリームや砂糖菓子などの飾り部分を作る作業を主に進めていく。
- リナ「兄様、お菓子作りではなくて、錬金術の実験でもしているみたいです……。」
お菓子作りは分量をきちんと量らないと失敗するものだと聞いているので、このくらいは普通なのではないのだろうか……?
- リナ「あとは、冷ましてから飾り付けるだけですね。」
- リナ「兄様……。」
- アンリ「ん?何だ??」
- リナ「2人でケーキを焼いたりする日が来るなんて、お城にいた時には想像もできませんでしたよね。」
- アンリ「そうだな。忙しくて、2人で何かする機会自体が年々少なくなっていたからな。」
ケーキが冷めた事を確認すると、クリームを塗って飾りつけをはじめる。
あまり材料が豊富ではないので、ケーキの上に乗っているのは、ドライフルーツと砂糖菓子だけ。
細工物が得意なリナが作っただけあって、砂糖菓子のサンタはとても可愛らしく出来ている。
- リナ「できましたよ、兄様。」
私も向かい側に座る。
- リナ「メリークリスマス。これ、私からのプレゼントです。」
- アンリ「ありがとう。実は私もリナにプレゼントを準備してある。」
- リナ「ありがとうございます、兄様。せーの、で同時に開けてみませんか?」
- アンリ「そうしようか。」
- アンリ「せーの!」
- リナ「せーの!」
中身は、綺麗な赤い石の飾られた首飾りだった。
- リナ「えっ!?」
無理もない。
私が贈ったプレゼントは淡いピンクの石の飾られた首飾りなのだが、リナが贈ったものと形状がすごく似ていた。
- リナ「こんな事ってあるものなんですね。」
- アンリ「そうだな。私も少し驚いている。」
性格や特技などはあまり似ていないとはいえ、やはり双子というのは思いがけない所で似ているものなのだろうか。
- リナ「驚いてしまって、忘れるところでした。兄様、ケーキを食べましょう。」
切りやすいように4つに切り分けられたケーキの一切れを受け取る。
2人分のケーキを取り分け、食べようとしたその時。
トントン
入口のドアをノックする音が聞こえた。
- アンリ「誰だ?」
??「あなたの街の佐藤さんです。」
聞き覚えのある声が返ってきた。
- アンリ「私の街には佐藤さんなんていない。人違いだ。」
ひょっとこ「あぁっ、待って待ってー!?クリスマスのプレゼントを届けに来たから、リナリアちゃんと一緒にちょっとだけ外に来てくれないかなー?」
- アンリ「リナ、外でひょっとこが呼んでいるぞ。どうする?」
- リナ「ひょっとこさんがですか?どうしたんでしょうか?」
- アンリ「プレゼントを持ってきたらしいぞ。」
- リナ「そうなんですか?では、お礼を言いに行かないといけませんね。」
- アンリ「わかった。今行く。」
ガチャッ
- アンリ「ひょtt」
- リナ「ひょtt」
入口の前にいたいつもと違う格好をしたひょっとこは、私たちの声をさえぎるようにそう叫びながら、勢いよく両手を上げる。
パァンッ
上空から大きな音がして、その後に……
ひらひらと雪が舞い降りてきた。
- リナ「わぁ、雪ですね。綺麗……。」
- リナ「はい。ひょっとこさん、ありがとうございます。」
- アンリ「ひょっとこ……。」
こいつの言動のおかしさにつっこむ事は無駄だと知りつつも、それでも言わなければならない事もある。
- アンリ「サンタの衣装にひょっとこのお面は似合わなさすぎると思うぞ。」
ひょっとこ「はっはっは、コレがないと俺って感じしないでしょ?」
- アンリ「まぁ、そうだな。それはさておき、お前、本当にマジシャンだったんだな……。」
ひょっとこの手品は今までしょうもないものしか見た事がなかったので、マジシャンというのも自称かと正直疑っていたのだ。
- アンリ「リナも喜んでいる。私からも、礼を言っておこう。」
佐藤サンタって何だ、佐藤サンタって。
こいつに問うた所で、意味のわからない答えしか返ってこないのはわかりきっているので、とりあえず疑問は胸にしまう事にした。
- アンリ「ちょっと待ってくれ。」
ひょっとこを呼び止めて小屋に戻ろうとしたら、リナが先に小屋の中に戻っていった。
恐らく、考えている事は同じだろう。ここはリナに任せておこう。
- リナ「お待たせしましたー。」
- リナ「私たちで作ったものだから、そんなに美味しくないかもしれないですが。特別に、サンタさんもつけておきました。」
リナの言葉通り、砂糖でできたサンタの飾りが乗っている。
ひょっとこ「おー、よくできてるねー。でも、クリスマスケーキのサンタって言ったら主役じゃないの?俺がもらっちゃっていいの??」
子供の頃に、あのサンタを誰が食べるかでケンカした者も多いと聞いた事がある。
- リナ「はい。プレゼントですから、是非もらって下さい。」
- アンリ「気をつけてな。」
- リナ「お気をつけて。」
後姿なのでお面は見えないのに、それでもどこか滑稽である。
あの男がいつ見てもおかしいのは、お面のせいだけではなかったという事か。
そんなしょうもない事を考えながら、リナと2人で小屋の中に戻っていった。








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