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カテゴリー[ BOOK/感想] 2007年06月12日
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モザイクノベルは、短編集の形態としてはかなり好きなもののひとつだ。
定められた舞台設定を元に、作家の個性で自由に描かれた物語群。作品によっては作家や編者のイタズラで軽くザッピングしてみせたりもして、その「実は繋がってる」感がどうにも楽しい。
単純にホラーアンソロジーとしても、この「夏のグランドホテル」はだいぶレベルが高いように思う。変なことが起こってもいいから、こんなホテルに泊まってみたいものだ。
では、各編の簡易感想を。



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— posted by aster @ 08:28PM  Up
カテゴリー[ BOOK/感想] 2007年05月23日
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前作『マルドゥック・スクランブル』が気に入り、その時既に発売されていた『マルドゥック・ヴェロシティ』を購入したのは結構前のことだ。
が、なかなか読み始める気が起こらず、部屋の隅に長く積み上げることになってしまったのは、これが『スクランブル』の前日談であることを知っていたからだ。
悲しい結末に終わるのが明白な物語を読むのには勇気が要る。だいたい、私は『ヴェロシティ』で主人公を張っている『スクランブル』の敵キャラ・ボイルドをさほど好きではないのだ。ウフコックに辛い思いをさせやがってこのやろうめが、というのが正直な印象だった。
ところがいざ読み始めてみると、これが『スクランブル』を上回る重厚さ、力強さ、切なさを備えた物語だったから参る。そして読み終える頃には、ボイルドに対する印象も手のひらを返したように変わってしまっていたのだ。

以下はネタバレを含みます。



マルドゥック・ヴェロシティ <1> (AMAZON)
マルドゥック・ヴェロシティ <2> (AMAZON)
マルドゥック・ヴェロシティ <3> (AMAZON)

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— posted by aster @ 08:18PM  Up
カテゴリー[ BOOK/感想] 2007年05月09日
久々の読書感想です。たまりにたまった既読本のうち、印象に残ったものをピックアップしました。異形コレクションもまた何冊か読んでるけど、あれは各話コメント形式を崩したくないのでまた後日。

奈須きのこ『空の境界(上)(下)
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各方面で話題になっているので、半分野次馬根性で手を出してみた作品。
読了時の印象を一言で表すなら、「異常に読みにくい京極夏彦」だろうか。構成やストーリーテリングの癖(やたら薀蓄を混ぜ込む点等)は京極を意識しているものの、読者の存在を前提としていないため独りよがりな文章になっている感じなのだ。
とはいえ、それに慣れてしまえば、魔術薀蓄や奇抜な設定、迫力ある戦闘シーン等かなり楽しめた。「殺人」に関する考察も実に真摯で、考えさせられるものがある。あとは浅田次郎並みの完璧超人ぶりを発揮する登場人物に、もう少し人間らしい生臭さがあれば、購読作家の一人に加えたかもしれない。
しかしこの人の話は、どっちかというと漫画で読みたいかもなあ。現在製作中だという映画に期待。


京極夏彦『前巷説百物語』
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『巷説』シリーズ最新刊。若い頃の又市とその仲間達が大活躍する。
なんというか、"あの"又市の若造時代というだけでもう面白いんですが。言うこともやることも青臭いし、態度はチンピラだし、でもその目指すものはやはり変わらぬ又市で、なんだかニヤニヤしてしまう。気持ち悪いな私。
各話については、一話完結でありながら全てが巧みに連動し、さらにはこれまでの『巷説』シリーズにも複雑に絡んでくる構成の妙が相変わらず見事。いくら江戸時代でもそんなちゃちな仕掛けにだまされるもんかなあ、という疑問もないではないが、そのへんは今更突っ込むだけ野暮だろう。
それにしてもラストエピソード、「旧鼠」の崩壊劇は見ていて胸が詰まる。死んだのに死んでいない男、彼への思慕と信仰ゆえに凶行に走る力なき民らの姿は、どうしてもあの世界宗教を信ずる一部の人々を巡る悲劇を連想せずにはいられない。


中島らも『こどもの一生』
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中島らもが演劇の脚本用に書き下ろしたシナリオを自らノベライズした作品。『人体模型の夜』や『白いメリーさん』のような染み渡る恐怖はないものの、ただ無心に惨劇を楽しむことが出来る気軽さはまさにB級ホラーだ。
宣伝文にも書かれている通り前半2/3はコメディなのだが、笑える中にも「キノコ」「拳銃」「チェーンソー」「斧」「架空の知人」などといった不気味なキーワードがしっかりちりばめられているのはさすが。逆に言えば、そのキーワードに気づいた時点で先が読めてしまうわけだが、それを前提にしているがゆえのB級とも言えるだろう。


で、今は『マルドゥック・ヴェロシティ』を読んでます。ボイルドカッコええええ。


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— posted by aster @ 07:16PM  Up
カテゴリー[ BOOK/感想] 2007年03月07日
ジョナサン・キャロルと言うと『我らが影の声』のインパクトが強すぎ、「普段はもの静かなのに前触れもなく発狂するおかんのようなホラーを書く人」という印象を持っていた。分かりにくいたとえで申し訳ないが、実際そうなのだからしょうがない。
しかしこの『月の骨』は、そんなホラーとはまた違ったジャンルの作品だ。どこかで「ダークファンタジー」と評されているのを見たが、まさにその表現が相応しいと思う。
けれど、読者を油断させておいていきなり奈落の底に突き落とす、その手法は変わっていない。つまりキャロルは、「普段はもの静かなのに前触れもなく発狂するおかんのようなファンタジーを書く人」でもあったというわけだ。

ここからはネタバレ含みます。




ジョナサン・キャロル『月の骨』(AMAZON)
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— posted by aster @ 07:25PM  Up
カテゴリー[ BOOK/感想] 2007年03月02日
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感想を書きたい本はどんどんたまっていくのに、なかなか時間が取れなくて歯がゆい私である。
さらに、読もうと思って買った本、読まなくてはならない本もどんどんたまっていく。本棚はとっくの昔に溢れかえり、部屋の隅っこにうず高く積み上げているのが見苦しいが、どうにもならない。


そんな私に相応しい今回のテーマ「蒐集家(コレクター)」。まあ私の場合は単に整理整頓の出来ないズボラ野郎なだけなので、蒐集家を名乗ったりしたら本物の方々に睨まれるかもしれない。
では、各編の簡易感想にいってみたい。



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— posted by aster @ 08:42PM  Up
カテゴリー[ BOOK/感想] 2007年02月13日
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「異形コレクション」シリーズ最新刊に当たる、第35集「進化論」を読んだ。
テーマがテーマだけに、SFチックに偏るかと思ったのだが意外とそうでもなく、捻りに捻りまくった作品が多くて楽しかった。扉絵代わりの江本創氏の幻想標本もナイス。実は江本氏の作品には初めて触れたのだが、標本と言うよりは"干物"に見えてしまうのも結構あった。表紙のやつとかあぶったら美味そう。
それはともかく、各編の簡易感想である。



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— posted by aster @ 06:53PM  Up
カテゴリー[ BOOK/感想] 2007年01月31日
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怖い話、変な話が大好きだというのは以前も書いた。
さらに、手軽にさくさく読めるショートショートや短編集も好物である。
そんな私にとって、この「異形コレクション」はまさにお誂え向きと言うべきシリーズなのだ。
学生の頃購買で出会った第一集『ラブ・フリーク』から始まり、既刊をすっかり読んでしまった後は新刊を待ち焦がれる日々。出版社が廣済堂出版から光文社に移った後も購読は続いたが、いくら好きでもコンセプトの同じ本を延々読んでて飽きが来ないはずもない。十八集『幽霊船』あたりで疲れが出始め、二十三集『キネマ・キネマ』でとうとう力尽き、その後はしばらく距離を置くこととなってしまった。田中啓文、平山夢明あたりのグロ描写についていけなくなったのもある。
が、先日三十五集『闇電話』を書店で見かけ、懐かしさについ手にとってしまった。そうしたら、時間を置いたせいかそれとも私の精神が老いたのか、結構新鮮な気持ちで楽しめちゃったんである。
そんなわけで、ホラー欲の赴くまま、次は三十三集『オバケヤシキ』をガン読してしまった。これもなかなか良作の揃ったお買い得な一集となっていて満足至極である。
『闇電話』は一部を取り上げるのみにとどめたが、今回は全篇についてちょっとずつ感想をつけてみたいと思う。



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— posted by aster @ 07:37PM  Up
カテゴリー[ BOOK/感想] 2007年01月26日
ジャンプ感想も復活したことだし、こちらもぼちぼち書いていこうと思い立った私である。
が、何しろ間があいたので読んだ本が溜まりに溜まってしまった。とりあえず、最近読んで面白かった本をガッと挙げてみることにする。

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『デトロイト・メタル・シティ』
いやー・・・参った。
笑いをこらえるあまり表情筋が攣りそうになった漫画は久しぶりだ。
農業青年・根岸と地獄の悪魔・クラウザーさんのギャップもさることながら、デスメタルの「冷静になってよく考えるとちょっと変な部分」をクローズアップ、デフォルメして描いてるんだからたまらない。

「ギャーーーーーなぜ生まれてきやがったーー」
(D.M.Cの名曲「スラッシュキラー」より抜粋)

このフレーズだけでもう駄目だ。腹痛い。
その反面、暴言と暴虐の限りを尽くすクラウザーさんにいつしか魅了されてしまっているのもまた事実なのだ。月をバックにトラクターに腰掛け、俊くん(実弟)を睨み据えるシーンなど脳天痺れる。ゴートゥDMC!!

『異形コレクション 35 闇電話』
昔良く買っていたホラー小説アンソロジーの最新刊。相変わらずの玉石混合感は懐かしかったが、ライトノベル作家に書かせるのはどうかと思う。完全に浮いてるし。
個人的には三津田信三の「よなかのでんわ」が良かった。受話器の相手の向こうの相手が"見えない"ことの恐怖。ラストの一文が怖ええええ!!

『ねこのばば』
『しゃばけ』シリーズ文庫版新刊。まったりお江戸妖怪話は和むし面白いけど、今回はプロットの甘さや文章の稚拙さがどうも鼻についた。佐助の過去話は良かったな。

『あかんべえ』
宮部みゆきの時代ファンタジー。『ねこのばば』の後に読んだせいで、筆力の高さ、読みやすさに感激。まあ格が違いすぎるし比べるのは酷だが。
主人公おりんもさることながら、幽霊たちの魅力的なキャラ造型が素晴らしい。おみつ姐さんの啖呵には惚れるね。料理屋「ふねや」のその後も気になるし、続編が読みたいところだが。

こうして見ると、見事に似た傾向の本が揃っているな(DMC除く)。ある本を読むと連鎖的に似た本を求めてしまうのは私に限った傾向ではないと思うが。
現在はホラー嗜好モードのようなので、しばらくは『異形コレクション』でもまた集めてみるとしようか。

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— posted by aster @ 09:12PM  Up
カテゴリー[ BOOK/感想] 2006年10月20日
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遅まきながら軽く感想をば。もう文庫版陰摩羅鬼も読み終わってから何だお前という感じではあるが。

京極堂シリーズは京極夏彦の作品中でも特に好きなので、読後は満足感より「ああこれでまたもうしばらく新作は読めないのだ」という脱力感が先に立ったりした。とはいえ、一作一作にボリュームがあるので、何度も読み返す楽しみがある。しかしこの『邪魅』は、結構再読がしんどいような作品ではあった。


ここからはネタバレ含みます。




京極夏彦『邪魅の雫』(AMAZON)
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— posted by aster @ 08:14PM  Up
カテゴリー[ BOOK/感想] 2006年04月14日
【ストーリー】
詩歌に優れ学も深く、仙と尊ばれた李白。月を捉えようとして水に落ちたという彼は、実は月へと上って行ったのではないか…。中国の奇妙な小話の数々を、作者なりの解釈と表現力で再構築した絵物語集。


まもなく、多くの人々が待ち望んだゲームソフト『MOTHER3』が発売となる。
だからというわけではないが、例によって本屋をうろうろしている時、新刊コーナーに並んだ「南伸坊」の名に自然と目が吸い寄せられた。南伸坊氏は、『MOTHER』シリーズのキャラクターデザインを手がけたイラストレーターなのである。
『MOTHER』をプレイした人ならわかると思うが、氏のイラストは独特だ。シンプルな線で何気なく描かれているのに、不思議と印象に残る。そして、一見可愛らしいように見えて、よくよく見ると奇妙なおぞましさをも備えているのだ。そんなところが最大の魅力でもあり、だからこそ『MOTHER』の世界観にもマッチしたのであろう。
この本は、そんな南氏が「中国古話」という強烈な個性を放つ素材をそれに劣らぬ奇天烈な個性でもって漫画化し、さらに独自の支店による解説文をつけた、まさに天の配剤というべき組み合わせの実現した一冊なのである。


以下ネタバレ含む


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— posted by aster @ 06:58PM  Up