小生が同人、というか二次創作が嫌いなのは周知の事実だと思うが、
同じようにアンソロジーというのも好きではない
とか思ったのだが、アンソロジーってある意味お得なんじゃないかと。
一冊の本で何人もの作家を楽しめる。
一冊で十度くらい美味しい。
当然好みの作家一人辺りの割合は少なくなるが、そこはご愛嬌。
代わりに新しい作品を読んで、好きな作家を新たにつくる事も出来る。
というわけでいろいろ小説を読んでいた。
何というか、
ほぼ全ての作品がミステリーかと聞かれれば、断固違うと言える。
ただ人が死んで、どうやって死んだかを書いただけの作品もあるし、
まぁ短編でミステリーをやるのも難しいし仕方ないのかな。
◆ 2011 The Best Mysteriesより
・人間の尊敬と800メートル
あるバーにで酒を飲んでいると、一人の客に話しかけられた。
俺と人間の尊厳をかけて走らないか?
その客の目的は?
人間の尊厳。
それは限りなく0に近い確率を100にすること。
運命だとか、偶然だとか。
そんな神の処遇である存在を、自分の意思で行う事。
まぁ言われたら納得だけど。
オチがもうちょっと伏線をひいておけば良かったなと。
・原始人ランナウェイ
気弱な僕は学校である噂を耳にする。
校舎に原始人が出るという噂を。
その噂の真相を確かめようとする正体不明の先輩に付き合わされて〜。
うむ、なかなか面白かった。
いわゆる日常の謎。
原始人の正体は読み進めていくうちに、
あぁ、なるほど。
と納得。
・殷帝乃宝剣
中国の伝承っぽい話。
目に見えぬ刀で殺した目に見えぬ犯人とは。
現実的すぎる話。
まぁ、数にモノを言わせたトリックとでも言おうか。
現実的過ぎるトリックは、ミステリーの中で非現実的になる。
・アポロンのナイフ
アポロンと呼ばれるほどの美しさを持つ青年が殺人を犯す。
また主人公は違うところで彼に似た人物を目撃し、
その殺人も少年が犯したのではないかと睨むが、
目撃者はそれを否定して……。
そこそこ。
・憤怒
ある連続殺人が捕まり、唯一の生存者が保護される。
警察もこいつが絶対に犯人だと思っていたが、
面通しで違うと言われ……。
一番面白かった。
騙された、っていうか、
っえ?じゃあ誰が犯人なの?
って思わせての展開。
程よく狂ってる。
いや、狂ってるは間違いかな。
非常に人間らしいオチ。
罪には罰を。
報復を、応報を。
・芳葉大学の夢と殺人
糞つまんねー。
私と彼氏の心の距離がどんどん離れちゃって、
新しい環境でいい人も見つかったんだけど、
やっぱり私は彼氏の事愛してるからー。
きゃ、大変!
そんな彼氏が人を殺しちゃった。
でも私は彼を守るよ。愛してるもん!
それなのに彼は私を愛してくれない。
なら自殺して、彼の心のに私の存在を刻んじゃえ!
って話。
あ、やべ。オチ言っちゃった。
・本部から来た男
アルバイト仲間が無断でバイトを休んでいる。
今までこんな事なかったのに。不安だ。
部屋まで着て、携帯を鳴らすと音はするのに誰もでない。
これはまさか死んでるんじゃあ……。
中に入ろうと思ったが、責任者がいないと管理人が中にいれてくれない。
保証人として、一緒に立ち会ってくれないか?
という連絡があって、本部から男がやってくる。
聞いた通りの状況であったが……。
オチにかけて攻守が二転三転する。
そこそこ面白かった。
・天の狗
出てくるキャラがうざい。
トリックとかに関してはまぁまぁ。
忘れたけど、まぁまぁってのは覚えてる。
・死ぬのは誰か
大学のゼミのメンバーが交通事故で死ぬんでしまう。
生前から嫌われ、厄介者であった彼が死んでも困る事はない。
だが彼が死んだからこそ困った事件が起こる。
彼のブログを見るとこんな事が書いてあった。
「Aに毒を飲ませた! これであいつはもうすぐ死ぬ!」
解毒薬はあるが、健康な状態のものがこれを飲んでも危険な状態になってしまう。
果たして誰が毒を飲まされたんだ?
二番目に面白かった。
正直死ぬのは誰か、すぐわかったというか。
というか、こいつ以外死ぬやついねーだろというか。
自分の事は自分が一番よくわかっているようでわかってない。
・棺桶
読んでて気持ち悪くなる話。
意味がわからない。
非日常的な日常な物語。
道端に棺桶があって、そこで寝たり。
年齢がよくわからない人物が学校に通ってたり。
トロッコがあったり。
普通に人が死んだり、なんかわけがわからない世界。
・橘の寺
また道尾か。
こいつの小説はシャドウやソロモンの犬ラットマン仏像が泣くやつ向日葵の咲かない夏やら見たけど全部つまらなかったぞ。
何でそんなつまらないやつの小説そんなに読んでるの?
という質問は受け付けない。
こいつの小説は専門的な知識が必要過ぎるんだよねー。
ワトソン役もいないし。
ただホームズが一人で納得して問題解決して、これはこうでこうなんですよー。
って言ってるだけ。
まぁ世の中には、金を掴ませて口裏合わさせて、はい密室ー。
なんて言ってるような馬鹿もいるから仕方ないけど。
・満願
最近お気に入りの米澤だったけど、
まぁ普通かなー。
犯人はわかっているけど、動機がわからない。
ホワイダニットに要点を置いてる。
キャラの描写は上手い。
・少女不十分
小説家を目指していた私は、あるきっかけで小説家になれたのだ。
というよくわからない自叙伝風の話。
小説家を目指していたんだけど、ある事がきっかけで今書いている話を思いつき、それが賞を取り、小説家になれた、
という話。
うーん。
まぁ、悪い西尾節が出たかな。
無駄が多すぎる。
自分も時々やるんだけど、書いてる途中に思いついた事をそのまま書いてる。
だから無駄に長いし、無駄な文章が多い。
読んでてイライラする。
早く話進めろや!ってね。
多分無駄な部分削ったら半分もないんじゃね?
例えばこう。
私は何故か日頃から交通事故にたびたび遭遇する。
その時も正直、またか、という印象ではあったが、
しかしその時の事故は普段見ているものと違ってかなり凄惨なものだった。
今ならば携帯を取り出し、119を押すわけでもなく、写真を撮ろうとする野次馬がいるだろう。
現在の私はそんな群集と同じように思われたくないので、新しい携帯を買うとまっさきにカメラを壊している。
とか。
僕はこの自転車をどうするか考えながらとめた
(と、駄目だ。職業柄というか職業癖というか小説風にしてしまった。
これは過去の事なんだから結末を話すけど、普通に捨てて新しい自転車を買った。
基本的に僕は修理に出さない。どんなにその方が安くても廃棄して新しく買い直す。
なぜなら自分のものを他人に触られるのが嫌だからだろう。
やはりこんなひねくれ者が生きてこれたのは凄いと思う)。
なんてのが半分くらいを占めている。
ねっ! 読んでてイライラするでしょ?
『化物語』とかはもうキャラクター達が話してるのでまだ我慢できる。
だけど作者の話なんて聞きたくない。
そんなのは後書きにでも書いてくれ。
あと小説家の自叙伝ってのは、たいがいそこに出てくるヒロインが新しい編集者としてくるってオチが決まってるんだよね。
・ピース
クソ。
この前買った『死体を買う男』くらいクソ。
どんどん出てくる後付けの嵐。
で、結局真犯人はマインドコンロールで実行犯を操ってました。
これ自身満々でこの作者は書いたのか?
こんなの書くのって同人あがりの人間だけかと思ったわ。
文庫ってだいたい解説者がいて、その作品を褒めちぎるんだけど、
もちろん褒めないといけないんだけど。
これを褒めるのって相当大変だと思うわ。
・屋根裏の散歩者
着眼点とかはいいと思う。
ただ現実と偶像の境界線が曖昧になる、というような設定はいらなかったかな。
普通に小説としてやってればよかったのに。