■第一話 「斬る!」
【STORY】
はるか未来、地球と呼ばれていたかもしれないある惑星。そこでは全身を機械化したサムライ達が長い間戦をし、大地が焦土と化してようやく大戦は終わった。人々は再び田を耕し、生きていくには困らない程度の米を生産できるようになった、そんな時代。
米の収穫を間近に控えたカンナ村では、毎年やってくる「野伏せり」の襲撃に怯えていた。
戦争が終わり目的を見失った彼らは、徒党を組んでやって来ては米や女たちを奪っていってしまうのだ。
野伏せりに対抗するには、「サムライ」を雇うしかない。
そう決意したカンナ村は、力を貸してくれるサムライを探すため、水分(みく)まりの巫女のキララとコマチ姉妹を町へと送り出したのだった。
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いよいよ地上波放送の始まった『SAMURAI 7』である。
BS等で数度にわたって再放送されている人気作品で、噂もかねがね聞いてはいたが、私自身はこれが初の視聴となる。
予備知識はプロモーション映像と、「面白い」という大まかな評判のみ。原作映画『七人の侍』も幼少時代に一度見たきりなので、ほとんどまっさらな状態だ。だけに、非常に楽しみである。
第一話は、過去の戦を描いた壮大な映像から始まる。「原作:黒澤明『七人の侍』より」の文字が渋い。
中空を埋め尽くすロボと戦艦。とりあえず、ビーム撃つ直前に浮かび上がる魔方陣の中の「気合」の二字に吹く。SFではあってもテイストは徹底して和風なのだな。
そしてシチロージの駆る戦闘機に乗って現れたカンベエ。刀一本で敵を斬り伏せていく姿は圧巻。何しろ相手は巨大ロボ、巨大戦艦なのだ。それが生身(多分)の人間の手によって次から次へとまっぷたつにされていく。冒頭からこの爽快感、ワクワク感は素晴らしい。これでは視聴者は、否応なくカンベエという男に一目惚れしてしまうではないか。
時は流れ、場面は変わってカンナ村。怪しげな儀式で、どうも水脈を探している模様。巫女姉妹は原作には居なかったように思われるが、そこはそれ、若い娘の一人二人はいないと心底男祭りになってしまう話だから、仕方のないことなのだろう。キュウゾウあたりが男装の麗人とかにされちゃったりするよりは大分マシだ。
米の出来具合を偵察に来た野伏せりに脅威を感じ、暗澹とする村人たち。このまま黙ってされるがままになるわけにはいかないと、サムライを雇うことを決める。サムライを探す代表者となったのは、村の若者リキチと、先述の巫女姉妹・キララとコマチだった。他二名はともかく、キララは若い娘があんな治安の悪い町をへそ出しで歩いて大丈夫なのかといらん心配をしてしまう。
しかし町で遭遇したのは、痴漢より先に米泥棒だった。米が何よりも価値を持つ時代にあんなむき出しで持ち歩いてちゃ狙われるのも当然だが、米俵ひとつひったくるってどんな力持ちなんだ。
そして、米泥棒を捕らえてくれた若侍・カツシロウと出会う。正義感に溢れ、侍としての礼節をわきまえた良い少年なのだが、キララのダウジングマシン首飾りは反応せず。「戦場の匂いがしない」ということは、やはり人を斬ることを知っている百戦錬磨のつわものでなくては雇うに値しないと言うことか。結構判定基準が厳しいな。
と、突然反応した首飾りに引かれて駆けつけてみると、そこでは押し込み強盗騒ぎの真っ最中だった。犯人は子供を人質に店に立て込もっている様子。どうでもいいが、被害者夫婦がどう見ても某バカボン一家なのが気になる。
そこへ全身鎧のでっかいサムライ・キクチヨが登場。店を真っ二つにしてもいいなら、子供を救い出してやると言う。えーそんな。それ以外の選択肢はないのか。
夫婦の許可を得、早速店を真っ二つにするキクチヨ。中から出てきたのは、子供を抱えた貧相なサムライが一人。
あとは子供を取り返して一件落着かと思いきや、押し込みは亡国テロリストさながら、身体にいくつものダイナマイトを巻きつけていた。これではうかつに手を出せない。さすがに固まるキクチヨ。絶体絶命かと思われたその時、野次馬の群れの中から一人のサムライが現れた。彼こそ、冒頭で大活躍した戦艦斬りの無茶侍・カンベエだ。
カンベエはキクチヨを相手に一芝居うち、有無も言わせずその首を一刀のもとにはねてしまった。ひでえ! キクチヨなんにも悪いことしてないのに!(店斬ったけど)
あっけにとられた押し込みを素早く斬り伏せ、子供を無傷のまま取り返して、今度こそ一件落着。礼を言う夫婦と謙遜するカンベエの傍らで、放置されているキクチヨが可哀想。と思ったら、転がった首がぶうぶう文句言い出したからビックリだ。全身鎧どころかオールロボかこいつ。
そして一部始終を見ていたキララは、カンベエこそ捜し求めていたサムライに違いないと心を躍らせるのだった。
いや、非常に良い第一話だった。なにしろテンポがいいし、話も目的がハッキリしているため分かりやすく、すんなり入り込んでいける。各キャラがバッチリ立ちまくっているのも好印象だ。
特にカンベエ。セリフは少ない方なのに、この存在感はなにごとか。ダシにされたキクチヨもいい味出していて好きだ。見た目からして「ボ・ボ・ボクハ、オ・オ・オニギリガスキナンダナ」とか言うキャラかと思ったら、案外ハキハキと気さくなおっちゃんだったし。
今後登場する残り四人のサムライがどんな奴なのか、これなら大いに期待して見る事が出来る。これと『ウィッチブレイド』で、しばらくは充実した週末を過ごせそうだ。