■EPISODE-03 「疵痕のごとく…」
【STORY】
街の片隅のバーで偶然にも出会ったクレオとヴェッティ。
視線が重なり、本能的に抜刀する二人。
相手がヴェッティだと分かり剣を抜くミシェルだったが、二人の間に入ることはできない。
互いに一歩もひかぬ攻防戦が繰り広げられる中、騒ぎをききつけた各々の戦艦が彼らを助けにやってくる。
そして戦いは戦艦同士の一騎打ちへ。
互いの船体に大きな疵を付けるも、未だ決着はつかない。
そしてヴェッティ配下のジョンフォール艦隊が来援し…!
脚本:米村正二 / 絵コンテ:大原 実 / 演出:井草かおる / 作画監督:高口 弘 / 作画監督補:追崎史敏・野崎真一
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場末のバーでエンカウントしてしまったクレオ&ミシェルとヴェッティ&ラルフ。視線が交差した途端、クレオとヴェッティは咄嗟に剣を抜いて一撃を交えた。顔見ただけで気に喰わないとかそういうことはままあるが、これはもう立場や感情などを越えた天敵同士ということか。
ここでヴェッティ様、ようやくミシェルの存在に気づく。先週目が合った時に気づいたかと思ってたのに、意外とぼんやりしてるな神聖皇帝。
「嬉しいよ、ミシェル。背中の疵が疼くたびに、夜毎私を思い出してくれたんだね」
しょっぱなからそれか。どうもこの人、ミシェルが絡むと一気に変態化する様子。
当のミシェルは憎悪もあらわに「父の仇!」と剣を向ける。この一言で、ミシェルの父親がヴェッティによって殺害され、自らも傷を負ったということが明らかになった。ミシェルが人民軍の頭をやってるのは、正義感のためばかりではなかったわけですな。
だが奮い立っているミシェルをよそに、既にクレオとヴェッティの間では火花が散っていた。空気を察して下がるミシェルとラルフ。
そして、いよいよこの作品の最大の見所のひとつ、豪華絢爛素敵セリフのオンパレードがスタートである。
「童は言った。お前を折るよ、野に咲く小薔薇」
「小薔薇じゃねえ。俺は疾風(かぜ)だ。疾風のクレオだ」
「その名前、覚えておこう。ただし君の命が尽きるまで・・・」
「風が笑ってるぜ・・・」
もうね、この時点で視聴者の魂は飽和状態ですよ。こんな状況でゲーテの詩(しかも隠喩的にエロ成分ガモガモなアレ)がすらすら出てくるヴェッティ様もアレだが、なんと言ってもクレオさん。「風が笑ってるぜ・・・」て、前もそうだったけど何言いたいんだか全然わかんないよ! たまらん!
と、そんな派手な前置きの後、クレオvsヴェッティの壮絶な一騎打ちが始まる。
壊れるテーブル。割れるグラス。可哀想な店主。
実力は伯仲、容易に勝負はつかず、彼らの勝負は店の外へと飛び出した。
この一騎打ち、スピード感もあり、チャンバラらしい良い意味でのケレン味もたっぷりでなかなか楽しめたが、ヴェッティの右目に酒が入る描写がやけに強調されていたのが印象に残った。左右の目の色が違うのは義眼を使っているからなのか。
勝負の場を外に移し、なおも戦いは続く。やがて、激しい動きで体温が上がったのか、ヴェッティが上着のボタンをひとつ外す。
「私にボタンを外させたのは君で二人目だよ」
「かっこつけやがって。次は素っ裸にひんむいてやる」
えええええ。単なる煽りだと思うけどやめてくださいよ、と思ってたら、ヴェッティの剣がクレオの服を切り裂いた。本気かよ!
クレオの背にもミシェルと同じ刻印を刻んでやると言うヴェッティだが、そんな彼にミシェルは自分がクレオに敗れたことを告げる。その事実に、想像以上のショックを受けるヴェッティ。どうやら、自分が征服してやろうと楽しみにしていたミシェルを取られてしまったことがムカつくらしい。大事に取っておいたプリンを知らん間に家族の誰かに食べられたような気持ちだろうか。
やがてついに勝敗の決するときが来た。お互いの心臓を狙い、激突する2人。
ところがその瞬間、金色の光が弾け、電撃のようなものが2人の体を駆け巡り、
服が吹っ飛んで半裸になった。
なんだそりゃアアアアア!!!
よく見ればクレオの体は傷だらけ、対するヴェッティは機械だらけで、おそらくそれを視聴者に公開するための半裸なのだろうが、
あまりに強すぎる「半裸化」のインパクトでその事実がかすんでしまった。ていうかホントなんだよこれ。面白すぎるだろ!
謎の発光で尋常ならぬダメージを受け、倒れる2人。そこへ神聖帝国の戦艦が現れ、ヴェッティを回収していった。一方のクレオも、ミシェルの肩を借りてなんとかその場を脱出する。
が、ヴェッティが負傷したことで逆上したラルフが、逃げる2人目掛けて対地砲を容赦なく打ち込んで来た。当然ながら街はもう壊滅状態。先ほどのバーも無残に吹っ飛ばされてしまった。可哀想な店主。
砲弾の雨あられにとうとう力尽き、立ち上がれなくなるクレオだったが、そこへミシェルの鉄建による根性注入。再び走り出し、いちかばちかで崖から飛び降りたところへガラスの戦艦が救助に駆けつけたのだった。
ここからは戦艦同士の大立ち回りである。なにが凄いって、氷の上でドリフトを決めて180度旋回をしてのけるわ、正面から物理的にぶつかり合おうとするわ、艦隊戦なのに戦闘機のドッグファイトみたいなことやらかしてる点だ。
戦艦での勝負はガラスの戦艦側に軍配が上がる気配が濃厚となり、機を察したラルフが決着にこだわるヴェッティに反して撤退を敢行。ヴェッティは怒りに任せラルフを打とうとするが、彼の真摯な涙に冷静さを取り戻し、ラルフの肩を抱くのだった。
いや、今回は熱かった。ただ奇天烈だったり豪華だったりするだけではなく、クレオとヴェッティ初の邂逅であり、全ての物語の本当の始まりとして実に面白かったと思う。
どうやら出会う前から何らかの因縁があるらしいクレオとヴェッティ、ミシェルの過去、ヴェッティの身体、ゴルナの娘といろいろ伏線も張られたことだし、これは本格的に次回以降は見逃せない雰囲気になってきた。
もちろん、クレオの名ゼリフにも相変わらず大期待だけれども。