続きでーす。そろそろ終わりが見えてきました。
「衣装は決まった。次はマスコットだな」
「クドのマスコットがたぬきだから……やっぱ、きつね?」
僕がそう言うと、恭介は首を横に振った。
「いや。エイリアンだ」
「なんでさ!?」
たぬきのライバルがエイリアン……。ありえない。普通にありえないから!
「そのありえなさが良いんじゃないか。ウケるぜーきっと」
そんなきらきら目で言わなくても。と言うか、誰を笑わせるつもりなんだろうか。
「来ヶ谷さんも何か言ってよ!」
「私か? 別にエイリアンでもジョーでもなんでも良いと思うぞ」
この人に頼んだのが間違いだったことに今気づいた!
「まぁそれは冗談としてだ。恭介氏」
「なんだ?」
「結果的に決めるのは、小毬君だと思うのだが」
そうだ。僕達がどうこう言うより、小毬さんに決めてもらった方が早い。
視線を小毬さんに移すと、彼女は一個のぬいぐるみをとても大事そうに両手で持ち、じーっと凝視していた。
「小毬、そのぬいぐるみ……気に入ったのか?」
しかし小毬さんはぬいぐるみから視線を外さない。恭介の言葉も届いていないみたいだ。
目の前でぶんぶんと彼女とぬいぐるみの間で手を振ってみる。が、反応無し。
「小毬さん、小毬さーん!」
「……ほわぁ!? え、り、理樹くんか〜。びっくりしたよ〜〜」
耳元で大声で叫ぶと、ようやく気づいてくれた。
「いやまぁ。すっごく夢中で見てたから」
小毬さんが抱えているのは、ぺんぎんのぬいぐるみだった。
まんまるな体に白いお腹。楕円形の黄色いくちばしに円らな黒い瞳。
「よし、小毬のマスコットはそのペンギンに決まりだな」
なんとも、小毬さんらしいマスコットだと思った。
「それで、このペンギンにも何か細工するの?」
「当然だ。小毬、ちょっとそのペンギンを貸してくれるか」
「ふえ? どーするの?」
小毬さんが小首を傾げる。
「昨日作ったタヌキと同じ仕掛けをする。中にイヤホンを埋め込み、傍から見ると喋っているように思わせるんだ。ま、小毬はタネが解っているが、それでもなんとなく面白いだろう?」
「ダメです」
しかし、きっぱりとした口調で拒否を示した。
「いや、しかし……」
「ペンギンさんに穴を空けるなんて、許しません」
「いや、すぐに塞げば大丈夫だ。タヌキの時は反対しなかったじゃないか」
「それでもダメです!」
小毬さんにしてはものすごい頑固だった。
「……解った。じゃあペンギンはそのままにしておこう」
あの恭介が折れた!
「理樹、俺はいつだって完璧なわけじゃないんだぜ……」
そう言って背中を向ける恭介。もしかして、泣いているんだろうか。
と言うか、そんなに改造したかったのか、あのペンギンを。
それから暫くして。
ふと、来ヶ谷さんが思い出したように口を開いた。
「そう言えば恭介氏」
「ん、なんだ?」
僕のベッドに腰掛けて漫画を読んでいた恭介が、来ヶ谷さんの方を向く。
彼女は僕の椅子に足を組んで座っている。
「杖はどうなったのだ? まだ見せてもらっていないが」
その言葉に僕を含め、他の面々も思い出したように顔を上げ、恭介の方を見た。
「ああ、忘れてた」
瞬間、全員が一斉にコケた。
「お前、だからなんでそう何か一つ忘れるんだよ……」
「アホだな」
真人と謙吾が容赦なくツッコむ。
「安心しろ。別に出来てないとは言ってない。ちょっと待ってろ」
そう言うと恭介は部屋から出て行った。
それから数分後、再び恭介が戻ってきた。
手には布で包まれた細長い何かを持っている。
「お、これがそうなのか」
真人が興味津々な顔をする。それは他のみんなも同じで、勿論僕もだった。
「これが……まほーのつえ、なのか?」
「そうだ」
鈴の問いに恭介が応える。
そして包んである布をゆっくりと解く。中から現れたのは……。
バールだった。
「いやいやいやいや! なんで、なんでバールなの!?」
「そっちの方が面白そうだからさ!」
バールで戦う魔法少女なんて聞いたことないよ!?
「って言うか、クド公には重すぎやしませんかね? これ、私が持つだけでもきついですヨ」
葉留佳さんがバールを持つが、確かにちょっと重いのか、両腕が震えている。
「安心しろ三枝。能美用に軽いバールを用意するつもりだ。これは言わばサンプルだな」
「あーなるほどー。それならクド公も安心っすねー」
そのままバールを手から離した――途端、真人の足にヒットする。
「いでぇええええ!?」
「あやや、真人くんごめんねー」
足を抑えて転げまわる真人に対し、あんまり悪びれた様子もなく、葉留佳さんが謝った。
「しかしバールか。恭介氏もなかなか面白いチョイスをするな」
「そうだろう」
「うむ」
互いに笑いあう二人。なんて言うか、気が合うよね、この二人。
ふと、西園さんの方を見る。
彼女は窓を背凭れにして座り、本を読んでいた。
タイトルを覗き見る。
『魔法少女リリカル○○○』
なんだろう。タイトルは口に出しちゃいけないような気がした。
「衣装は決まった。次はマスコットだな」
「クドのマスコットがたぬきだから……やっぱ、きつね?」
僕がそう言うと、恭介は首を横に振った。
「いや。エイリアンだ」
「なんでさ!?」
たぬきのライバルがエイリアン……。ありえない。普通にありえないから!
「そのありえなさが良いんじゃないか。ウケるぜーきっと」
そんなきらきら目で言わなくても。と言うか、誰を笑わせるつもりなんだろうか。
「来ヶ谷さんも何か言ってよ!」
「私か? 別にエイリアンでもジョーでもなんでも良いと思うぞ」
この人に頼んだのが間違いだったことに今気づいた!
「まぁそれは冗談としてだ。恭介氏」
「なんだ?」
「結果的に決めるのは、小毬君だと思うのだが」
そうだ。僕達がどうこう言うより、小毬さんに決めてもらった方が早い。
視線を小毬さんに移すと、彼女は一個のぬいぐるみをとても大事そうに両手で持ち、じーっと凝視していた。
「小毬、そのぬいぐるみ……気に入ったのか?」
しかし小毬さんはぬいぐるみから視線を外さない。恭介の言葉も届いていないみたいだ。
目の前でぶんぶんと彼女とぬいぐるみの間で手を振ってみる。が、反応無し。
「小毬さん、小毬さーん!」
「……ほわぁ!? え、り、理樹くんか〜。びっくりしたよ〜〜」
耳元で大声で叫ぶと、ようやく気づいてくれた。
「いやまぁ。すっごく夢中で見てたから」
小毬さんが抱えているのは、ぺんぎんのぬいぐるみだった。
まんまるな体に白いお腹。楕円形の黄色いくちばしに円らな黒い瞳。
「よし、小毬のマスコットはそのペンギンに決まりだな」
なんとも、小毬さんらしいマスコットだと思った。
「それで、このペンギンにも何か細工するの?」
「当然だ。小毬、ちょっとそのペンギンを貸してくれるか」
「ふえ? どーするの?」
小毬さんが小首を傾げる。
「昨日作ったタヌキと同じ仕掛けをする。中にイヤホンを埋め込み、傍から見ると喋っているように思わせるんだ。ま、小毬はタネが解っているが、それでもなんとなく面白いだろう?」
「ダメです」
しかし、きっぱりとした口調で拒否を示した。
「いや、しかし……」
「ペンギンさんに穴を空けるなんて、許しません」
「いや、すぐに塞げば大丈夫だ。タヌキの時は反対しなかったじゃないか」
「それでもダメです!」
小毬さんにしてはものすごい頑固だった。
「……解った。じゃあペンギンはそのままにしておこう」
あの恭介が折れた!
「理樹、俺はいつだって完璧なわけじゃないんだぜ……」
そう言って背中を向ける恭介。もしかして、泣いているんだろうか。
と言うか、そんなに改造したかったのか、あのペンギンを。
それから暫くして。
ふと、来ヶ谷さんが思い出したように口を開いた。
「そう言えば恭介氏」
「ん、なんだ?」
僕のベッドに腰掛けて漫画を読んでいた恭介が、来ヶ谷さんの方を向く。
彼女は僕の椅子に足を組んで座っている。
「杖はどうなったのだ? まだ見せてもらっていないが」
その言葉に僕を含め、他の面々も思い出したように顔を上げ、恭介の方を見た。
「ああ、忘れてた」
瞬間、全員が一斉にコケた。
「お前、だからなんでそう何か一つ忘れるんだよ……」
「アホだな」
真人と謙吾が容赦なくツッコむ。
「安心しろ。別に出来てないとは言ってない。ちょっと待ってろ」
そう言うと恭介は部屋から出て行った。
それから数分後、再び恭介が戻ってきた。
手には布で包まれた細長い何かを持っている。
「お、これがそうなのか」
真人が興味津々な顔をする。それは他のみんなも同じで、勿論僕もだった。
「これが……まほーのつえ、なのか?」
「そうだ」
鈴の問いに恭介が応える。
そして包んである布をゆっくりと解く。中から現れたのは……。
バールだった。
「いやいやいやいや! なんで、なんでバールなの!?」
「そっちの方が面白そうだからさ!」
バールで戦う魔法少女なんて聞いたことないよ!?
「って言うか、クド公には重すぎやしませんかね? これ、私が持つだけでもきついですヨ」
葉留佳さんがバールを持つが、確かにちょっと重いのか、両腕が震えている。
「安心しろ三枝。能美用に軽いバールを用意するつもりだ。これは言わばサンプルだな」
「あーなるほどー。それならクド公も安心っすねー」
そのままバールを手から離した――途端、真人の足にヒットする。
「いでぇええええ!?」
「あやや、真人くんごめんねー」
足を抑えて転げまわる真人に対し、あんまり悪びれた様子もなく、葉留佳さんが謝った。
「しかしバールか。恭介氏もなかなか面白いチョイスをするな」
「そうだろう」
「うむ」
互いに笑いあう二人。なんて言うか、気が合うよね、この二人。
ふと、西園さんの方を見る。
彼女は窓を背凭れにして座り、本を読んでいた。
タイトルを覗き見る。
『魔法少女リリカル○○○』
なんだろう。タイトルは口に出しちゃいけないような気がした。
[ SS/リトルバスターズ!]

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