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祈りを終えた男が振り返ると、レニッシュが恐ろしい形相で睨みつけていた。 「なんだ、その顔は?何を怒っている?」 心当たりなど検討もつかないという感じで男はレニッシュに尋ねた。 「かあさまは色々と教えてくれたんだ。でも・・レニが聞いてなっただけなんだ・・・。」 「だからかあさまを悪く言うやつは、誰だって許さないんだから!!」 どうやらサリカの悪口に腹を立てているようだ。 涙ぐみ必死に怒るレニッシュを見て男が話しかけた。 「そうか、悪かったな。まさかキミがそんなに怒るとは思わなかったよ。」 「キミがそれ程怒るって事は、いい母親だったんだろうな彼女は・・・。」 予想に反して素直に謝る男にレニッシュは少し驚いたような、恥ずかしいような、複雑な表情を見せた。 「ちょっと羨ましいよキミが。」 「世の中には誇りに思えないような親も沢山いるんだよ。」 「そう言う親を持った子供は不幸だとは思わないかい?」 言葉の意味が判らず、けげんそうな顔をするレニッシュの頭を、男は少し悲しげな表情を浮かべながらやさしくなでた。 「おっと、それでそのかあさまはどこにいるんだい?」 本来の目的を思いついたのか、男がレニッシュに尋ねる。 目をそむけたい現実に気づかされ、我に返ったレニッシュは奥のほうに駆け出した。 「かあさまっ!」 レニッシュが駆け寄ったその場所には、ブルネイとは違う人影が横たわっていた。 わあっと泣き崩れ、そこに倒れこむレニッシュを見ながら男がうわ言のようにつぶやく。 「おい、嘘だろ?まさかこんなクズのような男にやられたのか・・・?」 信じられないといった様子で、男がゆっくりとサリカに近づこうとしたその時、入り口から低く落ち着いた声が耳に飛び込んできた。 「こっちは大体片付いたぜ、リーンハルト。」 リーンハルトと呼ばれた男は、呆然としながら声のほうに足を向けた。 |
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