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何日か前に、あの日も居心地の悪さにちょっと鬱々としていたときに、僕は聞いたんだ。 「もういつでも出てきていいよ」 その声の主を僕はよく知っている。お母さんだ。 「早く生まれておいで。待ってるよ」 その人はいつも僕のすぐ近くにいる。そしていつも僕に「お母さんよ」って話しかける。僕が調子に乗って壁を蹴ると、外から壁を蹴り返してくれて答えてくれる。たまに歌も歌っている。とても気持ちのいい歌。暖かい気持ちになっていつも眠くなってしまう歌。だから実は最後まで聞いたことがない。 その人はきっと僕を守ってくれるに違いない。外に出て困ったことがあっても、その人が助けてくれるに違いない。なぜ僕がそう確信できるかといえば簡単だ。お母さんがいつもそう言っているからだ。「それがお母さんの役目だよ」って言っているからだ。 その声を僕は物心ついたときからずっと聞いている。いつでもどんなときでもいちばん近くに聞いている。 「顔を見せて。早く会いたいよ」 僕だってそう思っている。どんな顔をしているのか、会ってみたい。声とおんなじ、優しい顔かな。 でも、躊躇した。外に出たいとはそれまで漠然と考えていたけど、実際外に出られるとなるとちょっと怖い気もする。外はここみたいに暖かくて快適かな。怖かったり痛かったりしないかな。などなど、いろんな心配がどっと出てくる。 そして数日間考えた。どんどん窮屈になるこの場所でじっと考えた。 このままいつまでもここにいるわけにはいかない。それは明らかだ。僕はどんどん大きくなる一方で、以前は僕に合わせてどんどん広くなっていったこの場所は、最近はもうほとんど変化がない。手も足も頭も動かせない。まだ平気だけどそのうちこのこともきっとストレスになるだろう。それにどう考えても外の方が刺激的で魅力的だ。ここにいるのは一人ぼっち、でも外にはきっとたくさんの人がいる。そして何より、外に出ればお母さんの顔を見ることができる。困ったときはお母さんが助けてくれる。だからきっと大丈夫。 |
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おなかの中で、本当に考えていそう…。
ラストがちょっと、突然急にお母さんの視点にかわり、とまどいました。
あ〜でも、赤ちゃんっていいですよね〜。子供欲しいですね〜。僕もこういうテーマの話って書いてみたいです。