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[ 日記とイラスト]2009年05月15日
「真夏とはいえ、夜だから少しは涼しいだろう」



と、内容も聞かずに安易に仕事を引き受けたのはマズかった。
そこは昼間とも変わらず−むしろ密閉された空間なだけに
ほとんどサウナ状態とさえいえる場所だ。



そこは地下室だった。
しかもほとんど真っ暗だった。



「それではご苦労ですが朝までお願いしますね」


Yシャツにネクタイ姿の小太りの体型の男は
にこやかに微笑みながらそう言った。
公務員のようだが、この蒸し風呂のような地下室にあっても
ネクタイをゆるめることもなく、さらに汗も全くかいていない。



「・・・ここで一晩何をすればいいんですか?」

ボクは不安になり尋ねた。



「奥に丸いマークが見えるでしょう?」

男が指さした奥の壁に黄色いマークが見えた。
 


「あそこから出てこないように見張ってほしいんです」



「“出てこないように”って・・・何が??」


「それが私も知らんのですよ。
 上からそう言われてましてね。
 いえね、なにも出ませんよ。
 実際に何か出たことなんか今までないんですから。
 保険みたいなもんですよ。
 保険入ってたって、実際事故や入院することなんか滅多にないけど
 みんな入ってるでしょ?
 そういうことなんですよ」


一気に最悪な気分になったが、
今日だけなので我慢することにした。
なにごとも経験というではないか。

しかし、その後男が口にした言葉は耳を疑った。


「朝までここは締め切りになります。
 飲み水はそちらに冷蔵庫がありますのでご自由にどうぞ。
 なにかあったらこのボタンを押してください」



朝までここに缶詰!?

干からびてしまう!!



男が立ち去ってから冷蔵庫の中を調べた。
その中にジュースやお茶類は全くなく、
1.8Lのペットボトル入りのミネラルウォーターがビッシリと収納されていた。

・・・・・まぁ、水分は十分だから死にはしないだろう・・・。
今は夜の10時、終了は朝の5時。7時間・・・。




「大変な仕事を引き受けちゃいましたね」

側にいた細身のトオルくんが言った。
彼もボクと同じく、内容も知らずに仕事を引き受けてしまったのだ。
彼は下積みの舞台役者で、表現する部分ですぐに意気投合した。
誠実で人なつっこい感じの男だ。

彼がいれば、この異常な空間にも絶えられるはずだ。




改めて周囲を見渡してみた。
学校の教室より少し広いくらいのスペースだろうか。
緑に少し赤味を帯びたような暗い色の壁と天井に覆われ、
高い天井に“場違いとも思えるような”小さな豆電球が点在してるだけなので
暗いというよりは、限りなく闇に近かった。
部屋の端も歩いてみて初めて分かったくらいなのだ。
湿気のせいなのか、暗い色の壁からは滴がしたたり落ちていた。



それにしても暑い。

ベトベトした汗で肌にまとわりつくTシャツが不快指数を高める。
逃げ場所がないので、とにかくペットボトルの水を常にがぶ飲みする。
さもなければ脱水症状で倒れてしまうだろう。



しばらくは言われた通りに黄色い丸を見つめていたが、
30分で飽きた。


“今まで何も出なかった”のなら今日も出ないだろう。


ボクたちはTシャツを脱ぎ捨て、
ペットボトルの水を浴びながら雑談でヒマをつぶした。
初対面の者同士が交わす趣味や好きな音楽や映画の話題から始まり
将来の夢の話になった。



「ボクはこんなとこで埋もれるような人間じゃないんですよ!」


トオルくんは酒場やこういう場所にありがちな“高らかな意思表示”に酔っていた。


「それにしてもさっきからなんだか足の裏がかゆくない?」

「うん、かゆい・・」

「なんだかムズムズするっていうか・・。
 ダニでもいるのかな?」



あぐらをかいて退屈もせずにしゃべりつづけ、
水を飲み続けたせいかもよおしてきた。

「ちょっとトイレに行ってくる」

そう言ってボクはこの地下室に唯一設置されている小部屋に行った。




用をたして元の場所に戻ってきてみるとトオル君がいない。

「トオルく〜ん!?」

暗い場所で心細いせいもあって大声で叫んでしまったが
トオル君の返事はなかった。
ミネラルウォーターのペットボトルだけがそこにポツンと鎮座している。


どこに行ったのか。
この地下室は朝まで密閉されていて、
トイレとこの地下室以外に行き場はないはずだ。



ほとんど闇な場所で、不安と恐怖は徐々に高まっていく。
ボクはもう一度叫んでみた。


「トオルくぅ〜〜〜〜〜ん!!!!」


すると奥の暗闇から声がした。

「ここだよ〜」


恐る恐る声のする暗闇のほうに歩みよるとトオルくんの顔が見えた。

顔が見えた。

・・・・いや、“顔だけが”見えた。
トオルくんは壁に埋まっていたからだ。
トオルくんは“顔を残して”壁に埋まっていた。



「トオルくん、どうしたの!?」


トオルくんはお面みたいになった顔でにこやかに笑うと言った。

「うん、ここのほうが涼しいんだよね」


「“涼しい”って・・・なんでそんなとこに埋まってるのさ?」


「うん、この黄色い丸見てるとなんだか触りたくなっちゃって。
 そんで触ったあとのことは覚えてないんだけど・・。
 でも涼しくて気持ちよくて、楽なんだよね。
 とにかくいい気分なんだ!」

「壁に埋まるなんて非常識だろ!!」


この円は確かに“何かが出てくる”ことはないかもしれないが
“誰かが埋まる”ことはあるのだ!!



「最初ムズムズするし気持ち悪いって思ってたんだけど
 コレも今は気持ちいいんだよね」

そう言うトオルくんの顔にうごめく赤い糸が見えた。
赤い糸というのは生物だった。

トオルくんの顔には無数の赤いイトミミズ状の生物がまとわりつき、
のたくり、うごめいている。
イトミミズは毛細状に細かく、水中にユラユラとうごめくアレである。

周囲の壁にそのイトミミズがそれこそビッシリとへばりつき、のたくっているのである。
ビッシリとまとわりついたイトミミズの赤が壁の色を変えていたのだ。


床にもそのイトミミズで敷き詰められていた。
まるで“明日がない”かのように、出口を求めるかのように悶え、のたくっている。
今まで“なんだかムズムズする”と思っていたのはこいつの仕業だったのだ。
壁にも床にもこのイトミミズがのたくっていたのだ。


「トオルくん、なにかおかしいゾ!!
 とにかくそこから出るんだ!!」


「ここのほうが涼しいんですよ〜。
 それに気持ちいいんですよ〜。
 いっそ、もうこのままでもいいくらいですよ」


「それは涼しいんじゃない!!
 涼しく感じさせられてるだけだ!!」


なんてことだ。
これは不慮の事故だ。
自己の意志に関わらず流れ弾には当たってしまうのだ。
用心しようが、強い意志を持とうがそれは降りかかる。
これのことを人は運命と呼ぶのだ。
運命は自ら切り開くものじゃないのか?
でも予測不能な出来事はどうするんだ?
ええい、それはともかく・・・・・・

帰ってきてくれ!
おまえがいないと朝まで生きられない!!
現実に帰ってこい!!

ボクは絶叫した。



「何を言ってるんだ!
 おまえの夢はどうした!!
 こんなとこで埋まってる場合じゃないだろ!!」
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Up— posted by take317 @ 09:04PM   Comment[0]  Trackback[0] 
[ 映画ネタ]2009年05月03日
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うちの父親はイーストウッドに似ている。
若い頃、高倉健にも似ていたと思う。
男前である。


でも性格はどちらにも似ていないフッツーーのオヤジである。
しかもものすごくマジメで不器用である。
そのへんは“ちょっと意味合いは違うが”健さんと似ている。
「健さんにそっくりじゃねぇ」と言うと、
父はホヘヘと微笑みながら

「うれしいこと言うてくれるぎゃあ」

と、ものすごく喜びます。
単純です。

ちなみにボクは母似なので男前ではありませんw
(母が不細工って意味じゃないゼ!)




さて、イーストウッド最高傑作との誉れも高い「グラン・トリノ」。

最近のイーストウッドの作品が傑作揃いなのは疑いようがないんですが、
どうも自分は感覚的に好きになれなかった。
テーマも後味も重たく、淡々として冷徹で、どこか突き放したような演出が
“いいのは分かってるけど”肌に合わなかったようだ。

硫黄島2連作といい、
ついこないだ「チェンジリング(こちらは未見)」といい、
もう相当な高齢だというのにこんなに短期間に次々と、
しかもどれもが高い水準を持った傑作を連発する創作意欲は
毎回驚かされる。



そしてこの「グラン・トリノ」。
 
    ◆

話は葬式のシーンから始まる。

妻に先立たれた頑固ジジィのウォルトは
過去に朝鮮戦争に従軍の経験があった。
年老いた今、人とのよりよい接し方が分からず、
周囲の人間に憎まれ口を叩いては付き合いを拒絶している。
息子や孫たちもそんな彼にどう接して良いか分からず、
頭にあるのは彼が死んだ後の遺産のことだけだ。

この頑固ジジィの隣家に住むタオという少年と
ある事件をきっかけに付き合うハメになるが、
この少年は従兄弟の不良グループによって悪の道に引き込まれようとしていた。
ウォルトはタオとその家族との触れあいを通じて、
徐々に孤独から解放され、
それと同時にタオを“一人前の男”に育ててやろうとする。

    ◆


グラン・トリノとは劇中でウォルトが大事にしている70年代の車の名前。
これ自体には見せ場はないが、頑固ジジィのウォルトが長年勤めていたフォード社製であることからも、
ウォルトから少年タオに受け継ぐ“精神”みたいな使われ方をしている。

内容はいつもよりシンプルで、説教臭さもなく、しかも西部劇調である。
最近の監督作に比べ、東洋の少年タオとのバディものの楽しさがあり、
全編にハートウォーミングな笑いが多く後味は悪くない。
役どころとしては「許されざる者」や「ミリオン・ダラー・ベイビー」の彼を連想するシーンもある。

シンプル。

イーストウッドの映画はどれも演出も音楽もシンプル。
それでも一本ピンと張りつめた糸が張ってありダレない。



この「グラン・トリノ」を観ながら、
ボクが子供の頃にあれだけ若くてスラッとしていたイーストウッドが
今では顔中シワだらけ、声量はか細く、
すっかりヨレヨレの爺様になってしまった。
最近の彼の出演作品群を観るとそれだけで猛烈にもの悲しい。
いつ逝ってしまってもおかしくない年齢なのだ。
しかし、それはつまり自分も歳を食ってしまったという意味でもあり、
二重の意味で、猛烈に悲しい。


しかしもし、今逝ってしまったとしても
これはまさに“有終の美を飾るにふさわしい”作品に仕上がっていると思う。
(もちろんもっと長生きしてほしいけど〜)
これはボクも好きだ。


「ミリオン・ダラー・ベイビー」で、新人の女ボクサーに向かって
「これはこう叩くんだ」と言ってパンチングボールをタットコ叩いて見せるシーンや、
この映画でチンピラ達に“指のピストル”を向けて、
「刃向かっちゃいけない者が現れたらどうする? それはオレのことだ」
と凄むシーンなどは、彼の経歴があるからすごく説得力があるのだ。



そして今ではすっかり年老いてしまった男が持てる物を
前途有望な若者に託して去っていく姿は
そのまま現実のイーストウッドの姿を投影していて、


もうそれだけで猛烈に感動的だ。
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[ 日記とイラスト]2009年04月27日
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今、酒飲みながらボブ・ディランの“Desolation Row”を聴いている。

ボブ・ディランの代表作の一枚“Highway 61 Revisited”の最後を飾る11分24秒の大作だ。

ボブ・ディランの傑作は数あるが、
自分が衝撃を受けたのはこのアルバムで、
もし誰かに“ロックってなんぞや?”と聞かれたなら
まず間違いなく筆頭に「まぁ、聴けや」と言って差し出すアルバムだ。

あのダミ声で、粗く投げやりな歌い方。
歌詞もやたらと深い。
何十年でも聞き続けられる。

でも「歌、上手い?」と聞かれてもそれは困る。
上手い下手とかでは計れない格好良さがそこにある。
ロックは機能美とは対極にあるのだ。

この時代にフォークがベースで、なおかつラップをやってるのもすごい。
ロックと言われれば(もちろん他にもたくさんあるが)、
これとザ・フーの「Live at Leeds」はまず外せない。
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[ 日記とイラスト]2009年04月15日
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「野良猫ロック/セックスハンター」の梶芽衣子さんを描いてたんですが、
知らない間に誰か違う人に・・・・w

好きだ・・・梶芽衣子・・。
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[ 映画ネタ]2009年04月06日
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「世にも恐ろしい昔話」という怖くて面白いアニメを観まして、
短編3話の60分くらいなんですが、広く知られている昔話と全然違うし、
作画のレベルも高いので興味があれば観てください。
ようつべやにこにこでもたぶん観られると思う。

しかしコレ、すごい残虐な内容なんですが、
実際こんな話あるんでしょうか・・・?
「かちかち山」なんか、一体なんの教訓なんでしょうか・・・。



◆1話「猿蟹合戦」

猿は旅の途中、ある村に辿り着く。
鳥居の向こうに大きな柿の木があり、ひとつだけ実がなっている。
猿は喜んで木に登り実を食べた。
それを下で見ていた少女は驚き、猿の落とした柿の種を村に持ち帰った。


猿は喉が渇いたので、村に行き「水を飲ませてくれ」と頼むが、
村人は返事もしないどころか、鎌を振り上げ猿を殺そうとする。

何故か村人は全員猿に襲いかかってくる。
蜂に襲われ、道端に落ちていた牛糞で足をすべらせ転ぶと
落ちていた栗が頭に刺さる。
山のように積まれた臼が倒れてきて下敷きになりかける。


逃げた先はさっきの大きな柿の木。
そばにさっきの少女がいるので尋ねた。

「なぜ襲われるのかわからない。オレが何か悪いことをしたのか?」

「柿の実を食べただろ!!」
少女は目をむき叫ぶ。


そして罠にかかった猿は柿の木に吊され、
村人達から石を投げられ血だらけに。

それから地面に首から落とされ、あたりは血まみれに。
横たわる猿の死体。
少女は広がる血の池に柿の種を落とすと歌いだす。

「はやく芽を出せ柿の種。
 出さぬとハサミでちょんぎるぞ」




◆2話「かちかち山」

ある村で野菜泥棒が多発し、農夫達を悩ませていた。

ある日、猿が道を歩いていると、
畑のほうから知り合いのウサギが呼ぶ声がする。
畑の中に入っていくとそこには食い荒らされた野菜の食べかすが散乱していて、農婦のおばあちゃんが殺されていた。
それを見たおじいちゃんは猿が犯人と思い敵討ちに怒り狂う。
ウサギはまんまと猿に濡れ衣を着せほくそ笑む。


「野菜泥棒で人殺しの極悪な猿」という噂があっという間に広がる。
猿はウサギを見つけたので問いつめようとするとするが、ウサギは叫ぶ。

「人殺しの猿はここにいるぞ!!」

たちまち村人達が鎌や鍬を手に追いかけてくる。


猿はなんとか難を逃れ道を歩いていると
道端に重そうな薪木を置いた少女が佇んでいた。
猿は薪木を運んで助けてやることにした。

薪木を背に少女と歩いていると、少女がつぶやく。

「思ったのと違ってやさしいわ・・・・・人殺しのくせに・・・
 おばあちゃんを殺したくせに・・・」

猿の耳に“かちかち”という音が聞こえたかと思うと
背中の薪木が火の海に。


背中に大やけどを負った猿は医者のところに逃げ込む。
医者は重傷の猿を寝かせると背中に薬を塗ってやり言う。

「心配するな、おまえを突き出したりはせんよ。
 ・・・・・もし懸賞金さえかかってなけりゃあな!!」

猿は激痛に飛び上がる。
火傷の跡に塗られたのは薬ではなく辛子だった。
外へ逃げるとたちまち村人に発見され、再び猿は逃げる。


逃げた先にまたウサギが現れた。
ウサギは湖まで逃げると船を漕いだ。
猿はもう一隻あった船を漕いで後を追った。
ウサギの船に追いたと思いきや、猿の船の底が抜け猿は水中に。

水面に顔を出すと、船の上からウサギがオールを振り下ろす。
自由のきかない猿をオールでめった打ちにしたウサギは
瀕死の猿を村人に突き出して言う。

「怖かった・・・。もう少しで殺されるところでした・・」


縛られた猿の前に出刃包丁を握り、怒りに震えるおじいちゃんが・・・。



殺され晒しものにされた猿の生首を見て村人が言う。

「自業自得だ。
 しかし・・人のいい面してるのに。本心じゃ何考えてんだか」


ウサギは懸賞金をせしめ猿の首をあざ笑うと、意気揚々と立ち去る。




◆3話「浦島太郎」

遊郭の男たちの間で“竜宮城”という場所が噂になっていた。

「いい女に囲まれて酒と豪華な料理。なんでも夢のようなところだそうだ。」

「楽しすぎて誰も帰ってこないんだと」


浦島太郎は町でチンピラに絡まれていたおかめ(亀じゃなくw おかめは“ブス”の意味)という女を助けた。

是非礼をしたいと言うおかめに連れられて来た先は竜宮城。
太郎は美女に囲まれ盛大に歓待される。


「気持ちよくなるからやってごらん」

と言われキセルを吸うと目の前に桃源郷が広がった。
紫色の煙にたちまち太郎は夢見心地。


そして乙姫に気に入られ、たちまち乙姫との愛欲に溺れる。
美しい乙姫の体を貪る太郎。

しかし乙姫の本当の姿は、体中鱗に包まれた醜い妖怪。
竜宮城とは乙姫の子種を手に入れるために
男を連れてきてはアヘン漬けにしている場所だったのだ。
使い物にならなくなった男達はボロ雑巾のように捨てられていた。


太郎は乙姫からおみやげに玉手箱をもらった。
我に返った太郎は竜宮城の正体を知り、
無我夢中で逃げ出した。



自分の住んでいた村に帰るとすっかり長い年月が経っており、
自宅は廃墟になっていた。
母は太郎が町に出たままいつまで経っても帰ってこないので
心労のあまり病気になり死んでいた。

太郎は海を見つめながら涙を流し続けた。
ふと手にしていた玉手箱を思い出し開けてみると、
そこにはあのキセルが入っていた。
キセルの紫の煙を吸うと目の前に死んだ母の姿が浮かんできた。

太郎は恋しさに涙し、母の幻を追いかけ、海に落ちて溺れ死んだ。






・・・・・・・・
どうですか。
嫌〜な内容でしょw
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Up— posted by take317 @ 01:14PM   Comment[0]  Trackback[0] 
[ 映画ネタ]2009年04月02日
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先日観た映画「愛のむきだし」がすさまじく面白かったので、ちょっとラクガキしてみました。
久々に公開する絵がコレというのもどうかと思いますが・・・。



さて、この映画はある人に勧められて観たのですが最初気が進みませんでした。
というのも、ボクは邦画があまり好きではないし、
さらにジャンルは苦手な青春もの、
やってるのは小さな劇場で一日に1回の上映のみ、
入場料は2500円と高く、
そしてなにより上映時間約4時間!! (途中休憩が10分あるw)


もう「よっぽど面白くなけりゃキレてやるゼ!!」
くらいの気持ちで観たんですな。



ところが始まったらずっと画面に釘付けで、
「オイオイ、この先どうすんだヨ!」
の連続ですよ。
結局見終わったら頭に色んなものが渦巻いてポワーンとしてたっていう。
4時間があっという間。すごい濃密な時間。
最近、映画観てこれほど衝撃受けたことないですね。
家に帰ってからもしばらく色んなこと考えたけど、いっぱいありすぎて全然まとまらなかった。


コレ、ものすごい色んな要素が詰め込まれた映画で、
結構キワドいテーマも扱ってたりバカな展開も多くて、
ヘタしたら自主制作のノリになりそうなところがそうなってなくて、
誰にでもわかりやすい展開と内容になってます。
(誰にでも勧められるって意味ではないですが)


この作品に出ている役者さんの大勢がそれぞれすさまじい演技してるんですが、
西島?弘と満島ひかりと安藤サクラの3人の熱演は特に見物で、
さらにその中でも満島ひかりの魅力には一発でヤラれ、この1本でファンになってしまいました。
この女優さんが今どのくらい人気あるのか知らないんですが、
絶対人気出ますね。



実はこの直前に「ウォッチメン(これも長い!)」を観て、
ぶっちゃけこちらのレビューをする予定で、
実際こちらも面白かったんですが、
その直後に観たこの「愛のむきだし」のインパクトがあまりに強烈すぎて、
すっかり観た内容を忘れてしまいましたw



こりゃあ2009年度ベストといわず、邦画界の歴史に刻まれた爆裂純愛青春映画の傑作ですぜぃ!




愛のむきだし
http://www.ai-muki.com/
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[ 小説・創作話]2009年03月23日
「ミツコ」


「マサオさん」




「君の笑顔を見られるのも今夜が最後か・・・」


「あなたのそのやさしい声を聞けるのも今日が最後なのね・・・」


「準備はいいかい? ミツコ」


「ええ・・・いいわ、マサオさん。」


「都会でもこんなにきれいな月が映える夜があるとはね」


「ええ・・・。本当にいい夜だわ」


「考えてみれば月を眺めることなんか、ずいぶん長いこと忘れていた気がするよ。
 いつでもそこに浮かんでいたんだ。
 ボクらはそんな何げない日常にさえ今まで気付かなかった。」


「とても愚かだったわ、私達。」


「何気ない日常に感謝して楽しむことが出来たなら、
 ボクたちこんなことにはならなかったのに。
 でももうそれも手遅れなんだね・・・」


「あたしがあなたの力になれないばかりに・・・。
 本当にごめんなさい。うぅっっ・・・・」


「何を言っているんだ、悪いのは全部ボクのほうなんだ!
 ずっと君をないがしろにして、いい気になって!
 拡張しすぎた事業にも失敗してしまった!
 あんな男の言うことを信じたばかりに!
 会社も奪われ借金だけが残った・・・」


「でもいいじゃない。人を傷つけるくらいなら傷つけられるほうが。
 そうして今まで生きてきたじゃない。」


「そうだね。」


「今日という終わりの日がこんなに素敵な夜なんて・・・」


「死ぬにはいい夜だ。」


「ええ、本当・・・。」


「でも全てを無くしてしまったわけじゃない。
 君がいる。
 いつ見捨てられてもおかしくなかったのに・・・
 ・・・なぁ、君まで一緒に死ぬことはないんだよ。
 いいんだよ、知らないふりしてここを出ていってくれても・・・」


「そんなこと言わないで。
 あなたのいない世界なんて考えられないの・・・
 最後まで側にいるわ・・・」


「あぁ・・・今まで君のこんなにも大きな愛に気付かなかったとは!!
 ボクを許してくれ!!」


「最後だから笑顔でいましょう。」


「・・・そうだな。
 別に世界が終わるわけじゃない。
 ボクたちだけがこの世から消えてなくなるだけだ。」


「でもひとつだけ心残りがあるの・・」


「・・・チャッピーのことかい?」


「そうよ、あの子のことを考えると心が痛むわ・・・」


「坂木のおばさんに預かってもらったから大丈夫だよ。
 “2〜3日、旅行に行くから”って行ったら、逆に喜んでた。
 おばさん、犬が大好きだからね。」


「でもあの子、お腹こわしやすいから大丈夫かしら!
 それにいつも寝るベッドじゃないと落ち着かないのよ!
 神経質な子なのよ!」


「大丈夫、いつも使ってるドッグフードもベッドと一緒に届けてきた。
 おやつはやらないように言ってきたから。」


「せめて最後にあの子の顔を見たかったわ・・・」


「子供のいないボクたちを随分と慰めてくれたな・・・」


「うぅっ・・・やさしい子だったわ・・・」


「チャッピー・・・・身勝手な飼い主を許してくれ・・・」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




「ミツコ、支払いは済ませてきたかい?」


「ええ、税金に電気代、ガス代、家賃・・・全部払ってきたわ。」


「忘れてるよ、レンタルのDVD。これも返しておかなきゃ。」


「ああっっ! いけない!!」


「いいかい?
 これを返し忘れたら、他のお客さんが借りられなくなる上に
 レンタル屋さんも損害をこうむってしまうんだ。
 ヘタしたら僕たちの兄弟や肉親のところに請求書が行くかもしれない。
 それだけはやっちゃあいけない。


「・・・あたし、とんでもないことをするところだったわ。」


「まぁ、いいさ。
 誰でも忘れることはあるよ。
 じゃあ、このDVDは死ぬ前についでに返しておこう。」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




「マサオさん。」


「なんだい、ミツコ?」


「私達、どうやって死ぬの?」


「実はまだ決めてないんだ。」


「ビルから飛び降りるのなんかどうでしょう?」


「ダメだよ!
 ビルから落ちた人間はグチャグチャだよ!?
 後始末する人のこと考えなくちゃ!!
 それにたまたま居合わせて、ボクたちがアスファルトに叩きつけられて
 グチャグチャになる瞬間を見た人がいたとしたら、
 もうそれはトラウマだよ!?
 知らない人にそんな心の傷を負わせられないよ!!」


「じゃあ、首つりは?」


「ダメダメ!
 あれはすごく苦しいんだ!
 何十分も死ねないままのたうちまわった挙げ句、
 よだれと鼻水と大小の排泄物がありったけ垂れ流されて、
 そりゃあ悲惨だそうだよ。
 それにそれを始末する人のことも考えなきゃ!」


「そんなこと言ってたら自殺なんて出来ないわよ!」


「そうだなぁ・・・。」


「こんなこと言うのもなんなんだけど、
 出来れば苦しまずに死ぬ方法はないかしら・・・。」


「うちのバスタブじゃ、手首切っても二人は浸かれないしなぁ・・・。
 とりあえず外に出てから考えよう。」



「待って。そういえば、冷蔵庫の中身の始末を忘れてたわ。」


「なんだって?
 いつも完璧な君らしくないな。
 まだたくさん残ってるのか?」


「冷凍のピザと肉まんが2ケースづつ。」


「そういえばお腹すいたね。」


「もったいないから食べてしまいましょうか。」


「まだ今日は電気が使えるようだ。
 レンジで温めて、全部食べてしまおう。
 ゴミを残していって迷惑をかけてはいけないよ。
 飛ぶ鳥は跡を濁さないんだ。」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「おいしかった。」


「おいしかった。」


「冷凍食品とはいっても、最後の食事だと思うと特別のごちそうな気がするよ。」


「本当ね。」


「・・・さて、お腹も一杯になったことだし、そろそろ行こうか。」


「あ、ちょっと待って!」


「なんだい?」


「明日の“なんでも鑑定団”録画予約しておきたいの!」


「ミツコ、何を言っているんだ。
 今夜死ぬのにどうしてテレビ録画する必要があるんだい?」


「あ、そうよね・・。」


「旅行に行くわけじゃないんだゾ。」


「習慣になってるのかしら・・・。ホントは特別見たいわけでもないのに・・。」


「・・・ははは」


「・・・ふふふ」


「明日、温泉にでも行こうか。」


「え?」


「死ぬのは別に今日じゃなくてもいいさ。
 熱海の温泉にでも浸かって、帰ってきてから考えてもいいじゃないか。」


「温泉?
 いいわねぇ。
 今日は後片付けするのにあちこちに行ってきたからとても疲れたわ。」


「じゃあ決まりだ。
 今日はゆっくりお休み。」


「でもお金はあるの?」


「熱海で温泉に浸かるくらいのお金は残ってるだろう。」


「・・・でもその後は?」




「先のことはその時に考えよう。
 別に今夜世界が終わるわけじゃないんだ。」










※ある特定の人達にメッセージを込めて書きました。
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Up— posted by take317 @ 04:58AM   Comment[0]  Trackback[0] 

 
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