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[ 映画ネタ]2009年05月03日
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うちの父親はイーストウッドに似ている。
若い頃、高倉健にも似ていたと思う。
男前である。


でも性格はどちらにも似ていないフッツーーのオヤジである。
しかもものすごくマジメで不器用である。
そのへんは“ちょっと意味合いは違うが”健さんと似ている。
「健さんにそっくりじゃねぇ」と言うと、
父はホヘヘと微笑みながら

「うれしいこと言うてくれるぎゃあ」

と、ものすごく喜びます。
単純です。

ちなみにボクは母似なので男前ではありませんw
(母が不細工って意味じゃないゼ!)




さて、イーストウッド最高傑作との誉れも高い「グラン・トリノ」。

最近のイーストウッドの作品が傑作揃いなのは疑いようがないんですが、
どうも自分は感覚的に好きになれなかった。
テーマも後味も重たく、淡々として冷徹で、どこか突き放したような演出が
“いいのは分かってるけど”肌に合わなかったようだ。

硫黄島2連作といい、
ついこないだ「チェンジリング(こちらは未見)」といい、
もう相当な高齢だというのにこんなに短期間に次々と、
しかもどれもが高い水準を持った傑作を連発する創作意欲は
毎回驚かされる。



そしてこの「グラン・トリノ」。
 
    ◆

話は葬式のシーンから始まる。

妻に先立たれた頑固ジジィのウォルトは
過去に朝鮮戦争に従軍の経験があった。
年老いた今、人とのよりよい接し方が分からず、
周囲の人間に憎まれ口を叩いては付き合いを拒絶している。
息子や孫たちもそんな彼にどう接して良いか分からず、
頭にあるのは彼が死んだ後の遺産のことだけだ。

この頑固ジジィの隣家に住むタオという少年と
ある事件をきっかけに付き合うハメになるが、
この少年は従兄弟の不良グループによって悪の道に引き込まれようとしていた。
ウォルトはタオとその家族との触れあいを通じて、
徐々に孤独から解放され、
それと同時にタオを“一人前の男”に育ててやろうとする。

    ◆


グラン・トリノとは劇中でウォルトが大事にしている70年代の車の名前。
これ自体には見せ場はないが、頑固ジジィのウォルトが長年勤めていたフォード社製であることからも、
ウォルトから少年タオに受け継ぐ“精神”みたいな使われ方をしている。

内容はいつもよりシンプルで、説教臭さもなく、しかも西部劇調である。
最近の監督作に比べ、東洋の少年タオとのバディものの楽しさがあり、
全編にハートウォーミングな笑いが多く後味は悪くない。
役どころとしては「許されざる者」や「ミリオン・ダラー・ベイビー」の彼を連想するシーンもある。

シンプル。

イーストウッドの映画はどれも演出も音楽もシンプル。
それでも一本ピンと張りつめた糸が張ってありダレない。



この「グラン・トリノ」を観ながら、
ボクが子供の頃にあれだけ若くてスラッとしていたイーストウッドが
今では顔中シワだらけ、声量はか細く、
すっかりヨレヨレの爺様になってしまった。
最近の彼の出演作品群を観るとそれだけで猛烈にもの悲しい。
いつ逝ってしまってもおかしくない年齢なのだ。
しかし、それはつまり自分も歳を食ってしまったという意味でもあり、
二重の意味で、猛烈に悲しい。


しかしもし、今逝ってしまったとしても
これはまさに“有終の美を飾るにふさわしい”作品に仕上がっていると思う。
(もちろんもっと長生きしてほしいけど〜)
これはボクも好きだ。


「ミリオン・ダラー・ベイビー」で、新人の女ボクサーに向かって
「これはこう叩くんだ」と言ってパンチングボールをタットコ叩いて見せるシーンや、
この映画でチンピラ達に“指のピストル”を向けて、
「刃向かっちゃいけない者が現れたらどうする? それはオレのことだ」
と凄むシーンなどは、彼の経歴があるからすごく説得力があるのだ。



そして今ではすっかり年老いてしまった男が持てる物を
前途有望な若者に託して去っていく姿は
そのまま現実のイーストウッドの姿を投影していて、


もうそれだけで猛烈に感動的だ。
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[ 映画ネタ]2009年04月06日
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「世にも恐ろしい昔話」という怖くて面白いアニメを観まして、
短編3話の60分くらいなんですが、広く知られている昔話と全然違うし、
作画のレベルも高いので興味があれば観てください。
ようつべやにこにこでもたぶん観られると思う。

しかしコレ、すごい残虐な内容なんですが、
実際こんな話あるんでしょうか・・・?
「かちかち山」なんか、一体なんの教訓なんでしょうか・・・。



◆1話「猿蟹合戦」

猿は旅の途中、ある村に辿り着く。
鳥居の向こうに大きな柿の木があり、ひとつだけ実がなっている。
猿は喜んで木に登り実を食べた。
それを下で見ていた少女は驚き、猿の落とした柿の種を村に持ち帰った。


猿は喉が渇いたので、村に行き「水を飲ませてくれ」と頼むが、
村人は返事もしないどころか、鎌を振り上げ猿を殺そうとする。

何故か村人は全員猿に襲いかかってくる。
蜂に襲われ、道端に落ちていた牛糞で足をすべらせ転ぶと
落ちていた栗が頭に刺さる。
山のように積まれた臼が倒れてきて下敷きになりかける。


逃げた先はさっきの大きな柿の木。
そばにさっきの少女がいるので尋ねた。

「なぜ襲われるのかわからない。オレが何か悪いことをしたのか?」

「柿の実を食べただろ!!」
少女は目をむき叫ぶ。


そして罠にかかった猿は柿の木に吊され、
村人達から石を投げられ血だらけに。

それから地面に首から落とされ、あたりは血まみれに。
横たわる猿の死体。
少女は広がる血の池に柿の種を落とすと歌いだす。

「はやく芽を出せ柿の種。
 出さぬとハサミでちょんぎるぞ」




◆2話「かちかち山」

ある村で野菜泥棒が多発し、農夫達を悩ませていた。

ある日、猿が道を歩いていると、
畑のほうから知り合いのウサギが呼ぶ声がする。
畑の中に入っていくとそこには食い荒らされた野菜の食べかすが散乱していて、農婦のおばあちゃんが殺されていた。
それを見たおじいちゃんは猿が犯人と思い敵討ちに怒り狂う。
ウサギはまんまと猿に濡れ衣を着せほくそ笑む。


「野菜泥棒で人殺しの極悪な猿」という噂があっという間に広がる。
猿はウサギを見つけたので問いつめようとするとするが、ウサギは叫ぶ。

「人殺しの猿はここにいるぞ!!」

たちまち村人達が鎌や鍬を手に追いかけてくる。


猿はなんとか難を逃れ道を歩いていると
道端に重そうな薪木を置いた少女が佇んでいた。
猿は薪木を運んで助けてやることにした。

薪木を背に少女と歩いていると、少女がつぶやく。

「思ったのと違ってやさしいわ・・・・・人殺しのくせに・・・
 おばあちゃんを殺したくせに・・・」

猿の耳に“かちかち”という音が聞こえたかと思うと
背中の薪木が火の海に。


背中に大やけどを負った猿は医者のところに逃げ込む。
医者は重傷の猿を寝かせると背中に薬を塗ってやり言う。

「心配するな、おまえを突き出したりはせんよ。
 ・・・・・もし懸賞金さえかかってなけりゃあな!!」

猿は激痛に飛び上がる。
火傷の跡に塗られたのは薬ではなく辛子だった。
外へ逃げるとたちまち村人に発見され、再び猿は逃げる。


逃げた先にまたウサギが現れた。
ウサギは湖まで逃げると船を漕いだ。
猿はもう一隻あった船を漕いで後を追った。
ウサギの船に追いたと思いきや、猿の船の底が抜け猿は水中に。

水面に顔を出すと、船の上からウサギがオールを振り下ろす。
自由のきかない猿をオールでめった打ちにしたウサギは
瀕死の猿を村人に突き出して言う。

「怖かった・・・。もう少しで殺されるところでした・・」


縛られた猿の前に出刃包丁を握り、怒りに震えるおじいちゃんが・・・。



殺され晒しものにされた猿の生首を見て村人が言う。

「自業自得だ。
 しかし・・人のいい面してるのに。本心じゃ何考えてんだか」


ウサギは懸賞金をせしめ猿の首をあざ笑うと、意気揚々と立ち去る。




◆3話「浦島太郎」

遊郭の男たちの間で“竜宮城”という場所が噂になっていた。

「いい女に囲まれて酒と豪華な料理。なんでも夢のようなところだそうだ。」

「楽しすぎて誰も帰ってこないんだと」


浦島太郎は町でチンピラに絡まれていたおかめ(亀じゃなくw おかめは“ブス”の意味)という女を助けた。

是非礼をしたいと言うおかめに連れられて来た先は竜宮城。
太郎は美女に囲まれ盛大に歓待される。


「気持ちよくなるからやってごらん」

と言われキセルを吸うと目の前に桃源郷が広がった。
紫色の煙にたちまち太郎は夢見心地。


そして乙姫に気に入られ、たちまち乙姫との愛欲に溺れる。
美しい乙姫の体を貪る太郎。

しかし乙姫の本当の姿は、体中鱗に包まれた醜い妖怪。
竜宮城とは乙姫の子種を手に入れるために
男を連れてきてはアヘン漬けにしている場所だったのだ。
使い物にならなくなった男達はボロ雑巾のように捨てられていた。


太郎は乙姫からおみやげに玉手箱をもらった。
我に返った太郎は竜宮城の正体を知り、
無我夢中で逃げ出した。



自分の住んでいた村に帰るとすっかり長い年月が経っており、
自宅は廃墟になっていた。
母は太郎が町に出たままいつまで経っても帰ってこないので
心労のあまり病気になり死んでいた。

太郎は海を見つめながら涙を流し続けた。
ふと手にしていた玉手箱を思い出し開けてみると、
そこにはあのキセルが入っていた。
キセルの紫の煙を吸うと目の前に死んだ母の姿が浮かんできた。

太郎は恋しさに涙し、母の幻を追いかけ、海に落ちて溺れ死んだ。






・・・・・・・・
どうですか。
嫌〜な内容でしょw
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[ 映画ネタ]2009年04月02日
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先日観た映画「愛のむきだし」がすさまじく面白かったので、ちょっとラクガキしてみました。
久々に公開する絵がコレというのもどうかと思いますが・・・。



さて、この映画はある人に勧められて観たのですが最初気が進みませんでした。
というのも、ボクは邦画があまり好きではないし、
さらにジャンルは苦手な青春もの、
やってるのは小さな劇場で一日に1回の上映のみ、
入場料は2500円と高く、
そしてなにより上映時間約4時間!! (途中休憩が10分あるw)


もう「よっぽど面白くなけりゃキレてやるゼ!!」
くらいの気持ちで観たんですな。



ところが始まったらずっと画面に釘付けで、
「オイオイ、この先どうすんだヨ!」
の連続ですよ。
結局見終わったら頭に色んなものが渦巻いてポワーンとしてたっていう。
4時間があっという間。すごい濃密な時間。
最近、映画観てこれほど衝撃受けたことないですね。
家に帰ってからもしばらく色んなこと考えたけど、いっぱいありすぎて全然まとまらなかった。


コレ、ものすごい色んな要素が詰め込まれた映画で、
結構キワドいテーマも扱ってたりバカな展開も多くて、
ヘタしたら自主制作のノリになりそうなところがそうなってなくて、
誰にでもわかりやすい展開と内容になってます。
(誰にでも勧められるって意味ではないですが)


この作品に出ている役者さんの大勢がそれぞれすさまじい演技してるんですが、
西島?弘と満島ひかりと安藤サクラの3人の熱演は特に見物で、
さらにその中でも満島ひかりの魅力には一発でヤラれ、この1本でファンになってしまいました。
この女優さんが今どのくらい人気あるのか知らないんですが、
絶対人気出ますね。



実はこの直前に「ウォッチメン(これも長い!)」を観て、
ぶっちゃけこちらのレビューをする予定で、
実際こちらも面白かったんですが、
その直後に観たこの「愛のむきだし」のインパクトがあまりに強烈すぎて、
すっかり観た内容を忘れてしまいましたw



こりゃあ2009年度ベストといわず、邦画界の歴史に刻まれた爆裂純愛青春映画の傑作ですぜぃ!




愛のむきだし
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[ 映画ネタ]2009年03月19日
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今日は久しぶりに映画レビューです。



半年ほど前に輸入CDでこの映画のジャケット見て、
「何コレ? トム・クルーズがナチスの軍服着てるやん??」
と、どんな映画かずっと気になっていた。やっと観れた。
ナチスといえばブライアン・シンガー監督による
第二次大戦、ヒトラー暗殺の話だった。


史実をヘンに脚色せずに描いているそうで、
地味といえばかなり地味な展開ながら、
2時間近く飽きずに観られたのは出演者と演出力の充実にあるのは間違いない。
でも特に突出したシーンとか大きな盛り上がりがないので淡々とはしている・・。
事実ということで結末は分かってるわけだし。



根本的なこと言わせてもらうと、
ドイツ人なのに英語でしゃべってるのがどうも・・・・。
あとケネス・ブラナー、ビル・ナイ、テレンス・スタンプとか、
ゲルマンっぽい顔の俳優集めて雰囲気も描き分けも絶妙ですばらしいのに、
主役のトム・クルーズが(がんばってるのですが)この役をやるには悲壮感とか悲哀みたいなものが感じられないキャラクターで、
見終わった後にどうしてもエモーション的なものに響いてこないのが残念でしかたない。
でも客を呼べる俳優が欲しかったのだろうからこれも間違いではないかもしれない。ヒットもするだろうし。


あ、それからトーマス・クレッチマンがこれにも登場しててうれしかった。
この人、1993年版「スターリングラード」(雪の降らないスナイパーのやつじゃないよ)に出てて、
これがまた悲惨極まりない傑作なんだけど、その後「戦場のピアニスト」に主人公を助ける将校役で出てて、
今作には結構大きな役で出てんですよ。出世したナ〜〜。
「ブレイド2」「ヒトラー最期の12日間」「ネクスト」なんかにも出てたんだな〜。
ちなみにトム・クルーズの役は本来、彼が演じるはずだったそうだ。残念だな〜。個人的にはそのほうが面白くなったんだけどな〜〜。



ところで、これから観ようと思っている人はメインの登場人物の名前と顔を把握しといたほうがいいです。
劇中しきりに「●●はどうした」とか「●●はどこだ」とか言い合っていて、
それで話が進行したりするので、
それが誰のことを指しているのかわからないとワケ分からなくなってくる。
とても覚えにくい名前ばかりだし。


美術はかなり凝っていて、軍服・兵器・車両までリアルに作り込まれているよう。
やはりドイツ軍の軍服と兵器は世界一カッコイイ。
「ヒトラー最期の12日間」と共にドイツ軍服愛好家には至福の2時間です。


市街のみが舞台と思っていたら冒頭がアフリカ戦線だったのは新鮮だった。





※3枚目がトーマス・クレッチマン
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[ 映画ネタ]2008年08月09日
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映画を観てサントラまで買ったのは久しぶりなのです。


つくづく映画の面白さは音楽の出来に大きく左右されるのが実感できる。
スターウォーズは「クローンの攻撃」はイマイチだけど「シスの復讐」は最高だったみたいに。

このハンス・ジマーとジェームズ・ニュートン・ハワードによる「ダークナイト」のサントラは
聴く者の心を不安にさせるような不協和音と荘厳かつ情感あふれるスケールの大きな曲が入り乱れていて、
全体的にカオスで真っ暗な、あらゆる感情が噴出したような、
そして、この映画自体を投影したような一枚になっている。
前作「バットマン・ビギンズ」もこのくらいいい曲があればもっと面白かったのに。




最初にサントラについて書いたけど、映画自体これがものすごい内容で、
全編猛スピードで駆け抜ける重戦車みたいな作品だ。
個人的にはアメコミの映画化作品では最高峰じゃないかな。
というか、“アメコミの”とか、肩書きなんか意味ないんじゃないだろうか。


キレてます。


全編、異様な緊張感に包まれた大傑作ですYO。



前作「バットマン・ビギンズ」も緻密なキャラクター描写や現代的に練られた内容自体、
これまでにないリアリティを持たせた序章ではありましたが、
そのリアルさにも関わらず妙な東洋文化やニンジャなんかが出てくるあたりで
個人的にはサーーッと冷めてしまい、
しかもアクションシーンもカット割りが細かすぎてちっとも面白くなく、
テーマ曲も耳に残らないような曲で、
加えて全体的に“とっても地味”だったために、
個人的には今ひとつ煮え切らない内容でした。
今作を観てからもう一度見直してみたがやっぱりつまんなかった・・・。


ところが今作は前作の煮え切らない感を一気に挽回するような大傑作に。
展開も早く退屈しているヒマが全くない。
全編見所と言ってもいい。


しかし最大の見所はやっぱりというか、ヒース・レジャー演じるジョーカー。
ティム・バートン作ではジャック・ニコルスンがコミカルにノリノリに演じていたが、
今作ではド汚いメイク、サイコなキャラ設定、ホラー的な演出、とアプローチを変え、
しかも素性が定かでなく、なにをするか分からないキャラになってるので
登場する度に何が起こるか分からない緊張感にワクワクしてしまう。


ボクはティム・バートン監督作のバットマン(音楽のダニー・エルフマンも)がすごく好きなので
それ以降のバットマンは「バットマン・ビギンズ」も含めて認知できなかったのですが、
今作を観て初めてその呪縛から逃れられた気がします。

ホント、すげぇ面白い!!
もう一回観にいくぞぅ。

しかし、こんなすごいのを作ってしまって、この後の3作目を一体どうするのかが心配なくらい・・。




善と悪の境界線も定かでないまま、自らも善かどうかもわからない主人公とともに
観客は微かな救いを残しつつも暗い心の闇へと落ちていく。
21世紀に生きるヒーローがヒーローであり続けるためには
こんなに孤独と汚物にまみれなければならなくなった・・。

観客はバットマンの走り去る悲壮な背中に鳥肌を立てつつもこう思うだろう。



「なんて複雑で嫌な時代になったんだ・・・・」





唯一残念なところ・・というか気になるところはあるんですが
観た人のほとんどが同じことを思うだろうから、あえて言いません・・・。
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[ 映画ネタ]2008年06月17日
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この映画(初めてのバージョンね)、リアルタイムで劇場に観に行ったんですが、
その当時、実はボク、寝ちゃいましてねw

だって全編重苦しい映像と展開でしょ。
賞金稼ぎの話だっていうからてっきり
“アンドロイドをバンバン撃ち殺してドンパチする派手なアクション映画”
だと思ってたら、アクションもなんとなく地味でしょ。
主人公ものっけから所長に脅迫されてイヤイヤ仕事してるし、
ターゲットのレプリカントには殴られまくるわ首ひねられるわ指折られるわ、
なんかあんまり強くないし、
学生の頃の自分には
“映像はものすごいけどなんだか眠い・・”という作品でした。

でも長い年月を経て、この映像の奥行きに絵描きの自分はやっぱりかなり影響を受け、
何度も何度も鑑賞するようになりました。


以前に“ディレクターズカット版”のDVDを、
値段も安いし日本語字幕も入っている韓国盤を買って
「得した〜」と思ってたら、
その数ヶ月語に“ファイナルカット版”が発売。
思わず叫びました。

「くそ〜損した!!」

でも先日、近所のレンタル屋に行くと知らん間に置いていました。
しかもワークプリント版を除く4バージョンを置いていたので、
とりあえずまだ観てないファイナルカット版をレンタルして鑑賞。


すんばらしくクリアな映像&音声!!


大まかには大差なくとも、微妙に変更・修正されたシーン、初めて聞く音や、
それになんといっても完全にリマスターされた映像のクリアさと明暗のバランスにビックリ。
今までボヤけて見えなかった背景の些細な箇所までクッキリと鮮明に確認でき、
なんだか別の映画を観ているような感覚に・・・。


何度観てもこの作品の映像の密度に匹敵する映画というのはちょっと思い浮かばない。
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[ 映画ネタ]2008年04月25日
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ずっと前の 日記 でも書いたんですが、
オクラ入り確定と思われていたエドガー・ライトの超傑作ポリスアクションコメディ「HOT FUZZ」が、
“ファンの署名と熱烈な支持によって”7月に日本でも劇場公開することに決定しました!!


うれしい!!


字幕なしでは観たものの、やはりこれは劇場で字幕付きで観たい。
ちなみに去年観た全ての映画の中でベスト1であります。


マジメでデキすぎるために上司や同僚から煙たがられ
地方に左遷させられた超エリート警官が、
犯罪ゼロで平和ボケした田舎の警官達と反目し合いながらも
突如現れた猟奇殺人犯を追う。

数々の刑事ものやホラーなどの映画をネタにしたりパロディにしたりしつつ、アクションは激烈、笑いはもとよりホロリともさせてもくれる大傑作なのです。


はっきり言ってこれがメジャーにならないようなら
日本の映画関係者は全て盲目だと言っていいでしょう。
コメディだからとか、ネームバリューがどうしたとか、
そんなクソみたいなことがどうした。



http://intro.ne.jp/contents/hotfuzz.html
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[ 映画ネタ]2008年04月06日
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人里離れた湖畔の屋敷にリゾートに訪れた夫婦と息子の3人家族。
ある日知らない男が訪ねてくる。


「卵を4個分けていただけませんか?」


「いいですよ。そのまま? それとも包む?」
奥さんが答える。

「どちらでも」

「包みましょうか?」

「あなたがそうしたいなら」

「?」


奥さんは卵4個をそのまま手渡すと、
男はさっそく玄関で落として割ってしまう。

「すいません、片手でドアを開けようとして。
 ボク、不器用なもんで」

「いいのよ、うちは朝は誰も卵を食べないから」


奥さんは文句も言わずに割れた卵を片付ける。
すると男は平気な顔で、


「卵もらえますよね?」

「?」

「代わりの卵もらえるんでしょう? 冷蔵庫に12個入りの1パックがあった。
 あと8個ありますよね?」



ずうずうしい態度を不快に感じつつ奥さんは言う。


「・・・包む?」

「どちらでも」

「包んだほうがいいでしょう?(また割ったら困るし)」

「あなたがそうしたいなら包んで」

奥さんが男に新聞紙に包んだ卵を再び手渡すと
男はまた卵を割ってしまう。


「お宅の犬が吼えたんです。
 飛びついてきたので落としてしまいました。」


さすがにもう代わりの卵は渡せないし、
いくらなんでも罪悪感に諦めて帰るだろう。
普通ならそうだろう。
ところが男はまた奥さんに言う。


「卵をください。あと4個残ってるはずだ」




序盤のこのシーンからして、
現実に“神経の図太い思いやりのない人との会話”のことを思い出して不快になり、
すごく印象に残ってしまいました。
それにしても精神的に不快なシーンが延々続く、
理不尽な暴力を描いた後味最悪な1本なのです。
悪意しかない加害者の手で、ただ神に祈りながら弄ばれるだけの被害者家族。
女だろうが子供だろうが容赦なし。

直接的なバイオレンスな描写は皆無ですが、
被害者を精神的に痛めつけるシーンがずっと続きます。
かと思うと画面に向かって犯人が語りかけたり、
犯人に不利な結末を巻き戻して修正してりして
現実感から引き離したりする演出がちょっと意外でした。

なんにしてもサスペンスやホラー好きは一度観ておいたほうがいいかもしれない。

現在同じ監督でナオミ・ワッツとティム・ロスが出演の同タイトルのリメイク版(またか)が公開予定。
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[ 映画ネタ]2008年03月03日
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今になって完全版を観ました。


シリーズ中最も人気がなく、忌み嫌われているこの作品、
前作が派手な内容のアクション映画で、
高い支持を得ていたために期待がかなりハードルが上がっていたことや、
企画段階からクランクアップまで超難産の地獄だったようで、
それは特典ディスクのドキュメントを見れば分かります。

普通特典ディスクについているドキュメントというのは
作品のとにかく褒めるものなんですが、
このDVDのそれではしょっぱなからインタビューに答える人の全てが
この作品に関わったことへの後悔と恨みつらみを
ネガティブにぶちかましてくれます。

あと、数多くの脚本家がよってたかって作り上げた、
異なるバージョンのストーリーも興味深い。
ある意味本編より面白いかもしれませんw
ドキュメントには入ってませんが、
実は2作目で生き残ったヒックスとビショップが
2作目にも勝るほどの大戦闘を繰り広げるバージョンや、
エイリアンが接触した生物、ひいては金属や生物以外の物体さえも飲み込んで、
物体Xみたいに変態していくという冗談みたいなバージョンの脚本もあったようで、
そちらのノリでの完成品も、ある意味観てみたかった気もします。


さて、このDVDは完全版と銘打たれているとおり、
追加シーンを加えて再編集されたオリジナルより30分も長いバージョンで、
見たことないシーンが続出したり、差し替えられたシーンも多い。
オリジナルでは不明瞭だった各登場人物もかなり描写されており、
ドラマの奥行きも増している。
(ホント、完全版とかディレクターズカットとかに弱いな、自分・・・)

惑星に不時着後、エイリアンの最初の宿主が犬だったのが
このバージョンでは牛に差し替えられてたり、
ラスト、溶鉱炉に落ちていくリプリーの腹から飛び出すチェストバスターの描写がなくなってたりと、結構変わってます。


巷では“退屈極まりない駄作”と悪名高い1本ですが、
ボクは昔から結構嫌いじゃないんですよね。
前作の流れで期待されていた約束事をことごとく反故にするというストイックさ!
人気メジャー大作とは思えない救いようのない暗さ!
ネガティブで退廃的な宗教イメージ。
オープニングから既に不穏な空気がゾクゾクするし。


この完全版とドキュメントを観ると、

「まったく! ダメな子だよ!!」

と言われ続けているこの不憫な子が
愛おしくてたまらなくなること間違いなしです。


・・・・・オレだけか・・・。
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Up— posted by take317 @ 03:13AM   Comment[0]  Trackback[0] 
[ 映画ネタ]2008年02月10日
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「プライベート・ライアン」とともにリアル系戦争アクション映画の極北である。
「プライベート・ライアン」が体感映画のマスターピースなのに対して
「ブラックホーク・ダウン」はニュース映像を見ている感覚で
全体的に乾いたトーンだ。

このバージョンは劇場公開バージョンを観た観客の
「アメリカ万歳映画」「戦争を美化している」との声(ボクはそんなに感じませんでしたが。そもそも負け戦をテーマにしているんだし)に
監督のリドリー・スコットが苛立って、
追加シーン計8分を加えて再編集された完全版だ。

大きな流れには大差ないが、
一番大きく変わり時間を割いているのがエンディングで、
指揮官や兵士達の動揺と安堵の様子特に印象的。
他にも小刻みに戦闘シーンや状況説明のシーンが追加され内容が分かりやすくなってるし、カオス度も増している。

好きな人以外にはそんなに大きな変更はないが
見終わった印象は劇場公開版とはずいぶん違うので
興味がある人は買っても損はないと思う。
戦闘シーンに関しては何回観ても充実の内容です。
特にヘリコについてるミニガンの「ダラーーーーーーッ」っていう音が気持ちいい。
(ソマリアの民兵がゾンビみたいな扱いなのはこの際目をつむろうw)
ところで2時間半の内、2時間ほどの長時間に渡って緊張を強いる戦争映画というのはこれくらいじゃないだろうか。
普通息抜きのシーンを間にはさんだりするんですが、全くないですからねコレは。


ただ製品の仕様は特典が全くないのはおろか、
DISCは一枚のみ、インナーは一枚も入ってない簡素なものなので、
正直拍子抜けしましたw
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Up— posted by take317 @ 02:02AM   Comment[0]  Trackback[0] 

 
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